『ブロンド少女は過激に美しく』『シャルロットとジュール』

今年102歳(!)のお誕生日を迎えるマノエル・ド・オリヴェイラが監督脚本を努めた作品『ブロンド少女は過激に美しく』(2008年)を観てきました。

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列車で隣り合わせた婦人(レオノール・シルヴェイラ)に、衝撃的な体験を語り始めたマカリオ(リカルド・トレパ)。彼は叔父に雇われて洋品店の2階で会計士として働き始めた折、通りの向かいの家に姿を現したブロンドの少女ルイザ(カタリナ・ヴァレンシュタイン)に一目ぼれし、結婚の許しを得ようとするまでに至ったというが……。


ポルトガルの文豪ジョゼ・マリア・デ・エサ・デ・ケイロス(長い…)の短編小説を、舞台を現代に移して映画化。
台詞はほぼ原作そのままなのだとか。

「一財産つくる」「盗人め!あんなに愛していた帽子を!」っていう台詞とか
ルイザの母と自分の親友が知人だと判明したときの、マカリオの喜びの舞とか
キスをするときの「ぴょん♪」としたルイザの足の上げ方とか
明らかに通貨単位がユーロの時代背景じゃなさそうなところも多々ありますが
この作品を100歳のときに作ったと言うのだから驚き。
ブロンド少女の妙なエロティシズムの醸し出し方はオリヴェイラが中二病じゃないかと感じてしまうほど。

原作に忠実でない部分は、肝心な回顧のシーン。
原作は、マカリオが年老いていて、遠い過去の話を宿を共にした男に語りかけるらしい。
でも個人的にはオリヴェイラの設定のほうが「悲劇」と言いながらも未練が残っていて好きだな。

マカリオ演じるリカルド・トレパはオリヴェイラ監督の実の孫。
監督の長編全作品に出演しているのですが、パーフェクトな美男子。
来年日本公開も決まっている『アンジェリカ』でも主演だとか。
リスボンの街並みも夕暮れもリカルドもルイザも、美しすぎる。
視覚的にも十二分に堪能した!

まあ一番の驚きは、ルイザ役のカタリナ・ヴァレンシュタインが本当は黒髪だってことね。
(つぶやきシロー風な〆)


同時上映はゴダールの『シャルロットとジュール』(Charlotte et son jules)。

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ベルモンドが若すぎる★そして本作、アフレコはゴダール本人!
冒頭の、アンヌ・コレットの魅惑的なアイスクリームの舐め方にも大いに萌えー。
元カノに、散々愚痴を言い続けて、ラストは…と言う政治的観念ゼロでゴダールワールドを体験できる貴重なフィルム。
Youtubeで検索すれば全部見れるんだけど、ゴダールの声と、そしてあのアイスの舐め方を大スクリーンでもう一回拝みたい。