『ヴィクとフロ 熊に会う』 VIC+FLO ont vu un ours

去年の三大映画祭で上映されていた作品ですが、
WOWOWオンデマンドで最近見た『ヴィクとフロ 熊に会う』(VIC+FLO ont vu un ours)
2013年ベルリン国際映画祭アルフレッド・バウアー賞受賞作品。

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© UFO Distribution

まだ日本では公開作品がない、カナダのドゥニ・コテ監督。
(あ、一応この作品が「公開作品」になるのかしら)

刑務所あがりの同性愛者が主人公ですが
特に監督は同性愛をテーマにしているわけでなく、SankeiBiz(サンケイビズ)のインタビューでは

「刑務所ではほとんどの女性が身を守るために同性とカップルにならなければならない。刑務所を出ても女性によっては、同性と一緒にいることが居心地よくて2度と男と関係を持とうとしない者もいるし、すぐに新しい男を見つけたいと考える女もいます」
SankeiBiz(サンケイビズ)より

と答えています。
なるほど、そちらを描くのでなく「再出発」のほうを根底にしているのですね。

田舎の穏やかな光に包まれた絵の中で、実に陰鬱な感じで物語は進みます。
年老いても尚「再出発」しようと試みる主人公、でも決して消せない過去の闇。
鬱々、鬱々……

主人公・ヴィクトリアの“年下の彼女”フロランス役はロマーヌ・ボーランジェ。
ヴィクトリアは60歳、で、この映画を撮っているときはロマーヌさんはまだ30代だったはずですが……
かわいさはあるんだけど、肌質もあるのかなー…
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© UFO Distribution

ラスト20分の展開がなんとも衝撃的。
これはジャンルとしては「ホラー」にしていいんじゃなかろうか…と思うくらい、怖い。

下手くそなラッパ少年とか
ラストのヴィクとフロと保護司の3ショットの微妙なアシンメトリーとか
なんか意味があるのかなーと思ってたけど
そのまた後のシーンが、さらに謎すぎて……

オンデマンドでiPhoneで移動中に見る映画ではないかなー
とも思ったけど、張り切ってもう一回きちんと見ようとは思えない。

エンドクレジットに流れるは、Marie Möörの「Pretty Day」。
まさかのピコピコ。でも作品の不気味さはこの曲のせいでしばらく抜けなくなるのよね。

なんと驚き、DVDまで発売されてました。

ヴィクとフロ 熊に会う [DVD]