ゲンスバール~80年代のゲンスブール~

セルジュ・ゲンスブールを撮り続けてきた写真家・ピエール・テラソン氏の講演会「ゲンスバール~80年代のゲンスブール~」に参加してきました。
セルジュの写真を一日に20本のフィルムにおさめてきた御方の貴重なお話を拝聴することができた貴重な機会でした。

ピエール・テラソンHP
http://www.photo-terrasson.com/

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テラソン氏がセルジュと出会ったのは’84年のこと。
当時は写真家とアーティストの“雰囲気作り”に重きを置いていて、時間をかけて意思疎通をしていたそう。そんなテラソン氏の撮る写真には、セルジュの人間臭さが滲み出ている。
「’80年代のゲンスブール(“ゲンスバール”という)は、ダークサイドに落ちていた。’60~’70年代の彼とは異なる“ノワールな”側面を持つ、自己破壊的な人間だった。」

テラソン氏が知るセルジュは、バーキンとパートナーだった期間は短く、バンブーとの時代。規律をなくし、サイケデリックな人だった。
死んでしまいたい欲望を抑え、自分自身に手錠をかける演出をするなど、わけもわからずダークサイドに閉じ込められたまま堂々巡りをしていた。

一方、テラソン氏の長い写真家歴の中で「セルジュは一番寛大な人だった」と。
撮影中、歯が二本抜けたアシスタントがいた。
治療には一本5,000フランかかるという。
セルジュは「麻薬に使わなかったという証拠を出すんだよ」(セルジュは麻薬反対派)と言ってそのアシスタントに小切手を渡した。

セルジュといえば、ジタン。
テラソン氏の撮るセルジュもジタンのスモークに包まれている。
「許せないのは、“マリアンヌ”という雑誌で、彼が手に持っていたタバコを編集で消されちゃったんだよ。ラッパーの“YO!”みたいになってさ…」
なんてお話も。

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「写真家なんでしゃべりは下手だよ…」と仰られてましたが、とても興味深い時間でした。

ピエール・テラソンの展覧会「Gainsbarre by Pierre Terrasson」は28日まで東京日仏学院内のブラッスリーで開催しています。