『BPM ビート・パー・ミニット』 120 battements Par Minute

第70回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品で、ずーっと気になっていた『BPM ビート・パー・ミニット』。
ようやく先月末に日本公開されて早速観てきました。

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想像していたよりだいぶ重かった…

※追記はややネタバレありです※



以下公式サイト http://bpm-movie.jp/ よりイントロダクション

90年代初頭のパリ。HIV/エイズが発生してからほぼ10年の間に、その脅威が広がるなか、政府も製薬会社もいまだ見て見ぬ振りを決め込んでいた。
仲間が次々と亡くなっていくなか、業を煮やした活動団体「ACT UP-Paris」のメンバーたちは、より過激に人々へ訴える手段に出る。彼らにとってこれは文字通り生死をかけた闘いであり、一刻の猶予もならない事態だったのだ。
そんななか、新たにメンバーとなったナタンは、グループの中心的な存在であるショーンに出会い、ふたりは徐々に惹かれ合うようになる。だが、ショーンはすでにHIVに感染しており、自分の運命を自覚していた―。

監督はロバン・カンピヨ。
監督自身も「ACT UP-Paris」のメンバーだったらしい。

『パリ20区、僕たちのクラス』やズロトヴスキ『プラネタリウム』など数々の作品で編集を務め
『イースタン・ボーイズ』(MyFFF2015公開)では監督・脚本・編集も。

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フランス映画祭2010試写日記『パリ20区、僕たちのクラス ENTRE LES MURS』
『イースタンボーイズ』 Eastern Boys

90年代はHIVに対して「触れただけで死ぬ」「近寄っただけでうつる」とか、とにかく酷く偏見を持たれていた時代。
同性愛者への理解もなかった。多様性は受け入れられず、差別が蔓延る時代。
電車内で「ケダモノ!」というような目でACT UPのメンバーを見るムッシュ。
今でもあんなムッシュは存在するのだろうけど、20年前とは比にならないだろうな。

「ACT UP」のミーティング風景は、まるでドキュメンタリー映画のようなリアリティ。
そのリアリティさは『パリ20区~』にも共通するものが。
「SILENCE = MORT」(沈黙は死)のスローガンを掲げ、生への渇望を全身全霊でぶつけていく。
インターネットのない、情報収集もままならない時代に、HIVに対しての知識の深さは驚くばかりでした。
無知も沈黙も同様、死に繋がってしまう。
このミーティングは焦燥感や怒りが勝っていても、感情的にならないように様々なルールがあるけれど、時に彼らの行動は暴力的になる。
すべては自分の、仲間の命のため。

後で知ったことなんだけども、ピエール・ベルジェやアニエス・ベーもこの「ACT UP-Paris」へ寄付をしていたらしいです。

実は公開からすでに二回鑑賞。
というのも、一回目はラストに近づくにつれて観ることができなかったのです。
あまりにもつらすぎて。
ショーン演じるナウエル・ペレーズ・ビスカヤートがすごすぎたんだ。
痩せ方も死に方もリアルで…
劇場を出る時に、まるで身内を亡くしたかのような喪失感があった。
ショーンママの温かさにも号泣。
二回目は色々調べてから観たけど、やっぱりつらかった。

ネットがこれほどまでに繁栄している時代に生きていても、無知であることが恥ずかしくなって。
使命感・・・とはちょっとちがうけど、もっと自分事化して考えなければならないテーマだと強く感じたからです。
「自分は無関心ではない」とは思っていたけれども、これだけ無知であれば無関心も一緒だ、と思ったからです。

なんとノベルティは避妊具でございました…!
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ほんと、このポップさはほんの一瞬だけだったな。。

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