5月23日公開『サンドラの週末』(Deux jours, une nuit)の試写に行ってきました。
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© Diaphana Distribution
【あらすじ】
休職期間を経て、復職をしようとしていたサンドラ(マリオン・コティヤール)。
ところが突然の解雇。
週上け月曜日の従業員による投票で
半数以上の賛成を得られればサンドラの復職はあるが
従業員たちのボーナス1,000ユーロ(約13万円)は無し。
直接従業員たちの家を訪ねて説得しようと、
サンドラの長い週末 Deux jours, une nuit が始まる――
ボーナスか、同僚の退職か――
俄かに考え難い残酷な選択肢だけれども、
もし自分がこの会社の従業員の立場だったら…
或いはサンドラの立場に立たされたら…
ボーナスを取る人、ボーナスはあきらめてサンドラの復職に協力する人…
どの人にも、言い分がある。
現実にある労働・貧困の問題がベースにありながら、道徳的に考えさせられる作品。
従業員20人以下(=労働組合がない)の、
ヨーロッパの“工場”(=アジアの勢いと価格競争に負ける)
というシチュエーションもまた、秀逸なところ。
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©Christine Plenus / Alamode Film
マリ子さまの夫役は、ダルデンヌ兄弟作品常連のファプリツィオ・ロンジョーネ。
この人が本当にいい夫で、稼ぎさえあれば完璧!と見ているときは思ったけど…
5ドアの車所有してたり(フォードらしい)
自炊しないでひとり1枚ピザ買ったりするとか
そもそも自分だけの稼ぎでは家賃払ってくのつらいけど持ち家がいいとか
貧困であってもある程度の生活はしたいと思っているから
妻にどうしても働かせたかっただけなのかしら?
そう思って見ると実はとっても頼りなくて旦那としては失格…?
一方で、同じくダルデンヌ組のオリヴェエ・グルメは、明らかにいやーな役どころで安心しました(笑)
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© BORDE-MOREAU / BESTIMAGE
アンスティチュで行われた試写会、
上映後にはダルデンヌ兄弟が「貧困」をテーマにしたシンポジウムで登壇。
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貧困と労働の問題を描いている印象の強いダルデンヌ兄弟作品ですが
『ロゼッタ』にちなんでベルギーで青年雇用対策「ロゼッタ・プラン」が作られるほど
影響力があるのです。
(青年の雇用を保証するものなのですが、この制度を利用(悪用?)する企業も
最近は出てきているのだそうです…)
いまや世界的に有名な女優になったマリ子さまですが
個室の楽屋もなく、メイクもつかないという、
他の名もない役者たちと同じ環境で作品づくりに携わってくれたそうです。
ノーメイクで、ボサ髪でブラひもを曝け出しタンクトップ1枚で歩くなんて
ディオールのミューズが、まさか…!というような役どころを体当たりで熱演。
そしてダルデンヌ兄弟、日本の労働時間(残業時間)の例を聞いて
実に驚いていらっしゃいました…(そりゃそうよね)。
ブラック企業でなくても、日本の労働環境に慣れると「おいおい!」とつっこみたくなるシーンはあれど
マリ子さまの迫真の演技に圧倒される90分。
シンプルなテーマに、こんなに手に汗握るとはー。
『サンドラの週末』 オフィシャルサイト
http://www.bitters.co.jp/sandra/
ちなみに最近のマリ子さま、カネやんとこんな写真も撮ってます。
うーん、なにしてもかわいいなこのカップルは。
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© Universal Pictures International France