公開2日目に観に行ったドランの最新作『マティアス&マキシム』。
この日はコレットのドキュメンタリーと映画館ハシゴした。
コレットのがあまりにも良くて、この作品の記憶が少し飛んでしまったので、感想を書き始めるのに時間が掛かってしまった。。
今までのドランの作品の中で、一番観ていてつらかったのです。
ブログに記録として残そうと、反芻しては胸が痛くなり止める…の繰り返しでした。
『君の名前で僕を呼んで』に感銘を受けてこの作品を作ったということ(『君の名前で〜』は、フランス映画ではないけれども何度も何度も繰り返し観た大好きな作品!!)、ドラン自身が出演しているということ、男性同士の恋愛を描いているということ…
大好きな要素がたくさん詰まっていて、映像もカメラワークもいつもどおり美しいし、何がこんなにつらいと思わせるのか。。
カナダフランス語がほとんど理解できないっていうつらさは置いておいて…
個人的な感情が入りすぎて、映画の感想がうまく書けない。
「田舎コミュニティの中での生きづらさ」を描いていることに、このつらさの要因があるんだと思います。
私自身も超ど田舎出身で、都会に対するあこがれは人一倍あった。
実際に住んでみて
「隣の部屋に住んでいる人の名前すら知らない」
っていう他者との関係性がすごく快適に思えた。
だから自分にとっては田舎で暮らすことは今後の人生においても考えられない。
田舎を離れて20年以上経つのに、なんだろう、この感じは。
この「田舎生活モヤモヤ感」は、秘密の箱に入れて、鍵まで閉めて、頑丈な戸棚の奥にしまい込んだはずなのに、ドランてば簡単に引っ張り出してくるんだもの!!
楽しみに待っていた運命のキスシーンは、瞬きしている間に終わっちゃう。
その後もリピートは一切しない。
マティアスもマキシムも、何億回も思い出しては悶々とする出来事なのに、二度と映さない。
えぐられる。
マティアスとマキシムと同じように、その一瞬の出来事を映画を観ている最中も、観終わった後も繰り返し思い出してしまう。
登場人物や背景も、自分との共通項なんて「田舎」くらいしかないのに、どういうわけかマティアスにもマキシムにもどっぷり感情移入していた。
ドランの最近の作品は賛否両論あるみたいだけど、私は(贔屓目もありますが)このTHE・ドランな、心の奥底をえぐられる体験が、好きです。
何週間も考えたけど、やっぱり映画の感想にはなってないな…(汗)