Antoinette Poisson (アントワネット・ポワソン) のアトリエで感涙。

バスティーユの駅から徒歩で6分ほど。
アントワネット・ポワソンのアトリエにやってきました。

壁紙や工芸作品などの修復家だったジュリー、ヴァンサン、ジャン=バティストの3人が立ち上げたブランド。
ブランド名はルイ15世の愛人(正しくは「公妾」Maîtresse royale というらしい)・ポンパドール夫人の本名「ジャンヌ=アントワネット・ポワソン」(Jeanne-Antoinette Poisson)からつけられています。
(ポンパドール夫人が、壁紙などの装飾美術擁護者だったそうで!)

2012年に立ち上げたブランドですが、私がその魅力にはまったきっかけはかなり遅く、去年のディプティックとのコラボから。
diptyque ディプティック× Antoinette Poisson(アントワネット・ポワソン)に魅せられて…

アントワネット・ポワソンの作品はいまや日本でもH.P. DECOなどで購入できるようにはなりましたが…
パリで週に2日しか一般にオープンしていないアトリエですもの、行ってみなければ!

もうこの中庭からして好きだった。

アトリエに入ると、創業者の一人、ヴァンサン・ファレリーさんが接客してくださいました。

「18世紀の壁紙 ”Papier Dominoté “からインスピレーションを受けて、当時の手法を再現して、一枚一枚手作りで仕上げているんです」
と丁寧に説明してくださって…
その温和な人柄と口調に、泣きそうになりました。

悩みに悩んで、一枚だけ我が家にお持ち帰り。
同じ柄でも、一枚一枚、インクのにじみ方や色の濃淡が異なるので、世界で一枚だけの紙です。

「いい選択ですね。このあたりのにじみ方とか。
作品を傷めることになるので、できれば丸めずに持って帰ってほしいので…このまま包装しますね」

丸めると亀裂が入ってしまうようです。
日本から筒状のケース(アジャスターケース、て言うのでしょうか?)持ってくるの忘れた!…って思ってたけど、杞憂でしたね。。
スーツケースに入るサイズでよかった。

「よろしければ制作過程を見ていきませんか?」

え、、、ま、まさか…!

アントワネット・ポワソンの、アトリエに…この私が!なおちゃんが!潜入している!!
緊張で手が震えて…
感動している私を見てジャン=バティストさん(モデル級イケメン)もウィンクしてくれるし…夢のような時間だった。



私「と、とても、かかか、感動しました!!あ゛、あ゛りがどうございまずー!!」
ヴァンサンさん
「御礼を言うのはこちらですよ。旅の途中の貴重な時間のなか、ここまで来てくださってありがとうございました。
今日の太陽はとても素敵だし、お二人ともついていますね。パリを楽しんでください。」

…泣いた。

ちょうど日が眩しく、優しい言葉で話してくださるヴァンサンさんから後光が差しているようで。
あのときのヴァンサンさんは…神様のようだった。
ああ間もなく私は天に召してしまうのだろうか。
ふわふわ、ふわふわーっと宙に浮いている感覚で、涙が止まりませんでした。

チラシもいただいた。
こちらもきれいだったので、額装。

やっぱり私、紙にこだわりのあるブランドがとても好きです。
あと、自分のお仕事に誇りを持っている人って本当に素敵。
私もかくありたい。

幸せだったのと同時に、背筋がピンと伸びた時間でありました。

Antoinette Poisson
http://www.antoinettepoisson.com/
Boutique Atelier Antoinette Poisson
12 rue Saint-Sabin 75011 Paris
営業時間
10:00 – 18:00(木、金)
月-水 訪問の際は要予約