死の淵から生還した後、グザヴィエ・ドランの新作『Juste La Fin Du Monde』を見にきました。
ジャン=リュック・ラガルスの舞台劇「It’s Only the End of the World」を基にした作品らしいのですが、原作を知らない。
日本で公開されるというのを知っていたので(2017年2月公開・邦題(仮題)は「まさに世界の終わり」)、ネタバレ嫌なのであらすじすら頭に入れていなかった。
キャスト全員フランス人だしカナダフランス語じゃないから字幕無しだし、前知識なし、病み上がり(?)で日本語すらままならない状態での鑑賞、大丈夫かワタシ!?
ギャスパー・ウリエルが主演。
12年振りに実家へ帰ってきた作家のルイ(ギャスパー)。間もなくやってくる、彼の死を家族に告げるためにーー
という、シンプルなストーリー。
妹のスザンヌ役はレア・セドゥ、母役にはナタリー・バイ、兄アントワーヌはヴァンサン・カッセル、アントワーヌの妻役はマリオン・コティアール…と、もう凄まじく豪華キャスト。
後で知ったのですが、原作者のラガルスはエイズにより38歳で永眠しているらしいです。。。
開場まで入り口で待つのですが、結構混んでいた。外まで並んでるんだけど、これ雨じゃなくてよかったわー。
フランスで映画鑑賞はほんと久しぶり!
ドラン作品ですが、1時間35分という、ちょうどいい尺。
会場はなんだか不思議な内装でした。
みんな二階に行くので、見やすいんだろうなー、とついて行って、最前列確保。
ステージにピアノがあったけど、特に鑑賞の邪魔にはならなかった。
で、『Juste La Fin Du Monde』は賛否両論らしいですけど、私は好きな作品でした。
顔のアップばかりが多くて、雰囲気ドラン作品ぽくないなー、ていうのは全体を通してあるけれども。
死までのドラマを描くのかと思ったら、12年振りに家に帰ってからほんの数時間?を描くだけの、想像以上にシンプル過ぎる作品だった。
だけど…5人の演技力ったら、ああ!!!
大好きな役者さんたちが、大画面で圧巻な演技を見せるのですよ。
それだけで私はもうノックアウトでした。
途中台詞が頭に入ってこない(=フランス語についていけない)シーンもあったけど…(汗)
全員すごくて、ナタリー・バイの存在感は圧倒的なんだけど、マリオンの静かな存在が素晴らしい。
義姉という、主人公と唯一血が繋がっておらず、「はじめまして」な存在の彼女の視線や態度。
それは兄妹や母とのものと全く違っていた。
多分彼女の視線が、他人である私たち観る者 の視線と一番近いのでしょう。
兄や妹が罵倒したり冷静でなくなるさまもあるなか、穏やかに状況を把握して傍観し、ルイに話しかける彼女の存在はなくてはならなかった。
演者のことをアホほど好きなので、贔屓目になってしまっているかもしれません。
だけどほんといい作品でした。
日本公開後にアホほど見よう。
さて、映画のお供に…と思って直前にモノプリで買ったけど、静かなシーンも多くてとてもじゃないけどいただけなかった、ミシェル&オギュスタンの緑茶とポテチ。
予告編のときにちょっとだけいただきましたけどね…
そういえばフランスでの映画鑑賞がほんと久しぶりで、且つさっきまで死の淵をさまよっていたので、予告編の時点で既に涙目だったのを思い出しました。。。はははー