オリヴィエ・アサイヤス『カルロス』 Carlos

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ヴィヴルヴォン♪ヴィヴルヴォン♪
(「ジングルベル」のフランス版)

すっかり街はクリスマスモードですが、
オリヴィエ・アサイヤス『カルロス』(トータル5時間半!)を半日かけて観賞するという
クリスマスなんて微塵も感じさせない週末を過ごしたのでした。

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フランス人でないのに、フランスの歴史に名を刻む男。

同イベントで上映されていた『テロルの弁護士』も鑑賞し、
さらにラテンビート映画祭でも映画版を鑑賞しているので
ラテンビート映画祭鑑賞の日記はこちら
ハラハラドキドキ感は若干少なくなっていたものの、あっという間の5時間半でした。

テロリストを英雄化することも、銃声も、(たとえそれが映画であろうとも!)
個人的には大の苦手なんだけど
体の底に響き渡る爆音、10カ国以上の撮影国、眩しい光、
そして何よりも人間関係に焦点をあてていることで、
この「ドラマ」は永遠に終わることがないような、妙な快感を覚えてしまったのでした。

アサイヤスの並々ならぬ研究の成果をまざまざと見せつけられるとともに、
エドガー・ラミレスの体当たり…というか「体現」という言葉が相応しい素晴らしい演技に魅せられる。
他を恐怖に戦かせ嘲笑する史上最悪のテロリストから、墜ちて行く最後まで。
痩せたり太ったり、数カ国語を自由に操ったり、美女を次々と落としたり。
最高にゲバラなかっこよさも、金ネックレスにセカンドバッグなTHEおっさんも(いや実際にそんな格好はしていないけれど)、見事に「演じ分けて」いるのです。
そう、とても一人の人間を描いているとは思えない濃厚な内容、各章どころか各場面で全く異なる表情を見せているのです。本当に感服。

そしてこの『カルロス』、「アサイヤスの最高傑作」と言われていますが、どうでしょう。
そもそも“最高傑作”って評価付けは各個人の中で行われるものじゃないかしら。

日本公開もあるようですので、その評価は是非みなさんご覧になって決めてくださいー

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余談。

日仏で映画の授業をとっていて、習慣になったのが「車のナンバープレート」を見ること。

場所がめまぐるしく変わる本作では、丁寧に「場所名+日付」と表示されていたのでその確認は全然なかったけどね。
「ん?ここパリかな?」と思うときはナンバープレートを確認。
フランスではナンバープレートと郵便番号の上2桁が一緒なので、わかりやすいのです。
ちなみにパリは「75」。

これを知っていて何が得かって、
授業で「ノリコ、この登場人物はどこから来たと思う?」と聞かれると、
「パリ!パリ!パリ!絶対パリ!」とどや顔で答えることができるのです。えっへん。