ゴダールからフランス語を学ぶ。その1

日仏学院、先週から夏学期後期授業が始まりましたー。
今回もまた映画講座。
生徒の面子も、もう何年も変わらず。なんでしょうね、親戚の家に集結したような、アットホームな授業で居心地いいのです。
(だけど途中から入った人は、めちゃくちゃアウェイに来た感じになるんだろうな・・・)
一番劣等生の私が回答すると、「おー、ノリコちゃん、よくできましたねー」的な雰囲気になるのもまた楽しい。

さてそんな映画講座、15時間でゴダールを学びます。
1回目の授業はCahier du Cinémaの批評家だったというゴダール歴から始まり、
ヌーヴェル・ヴァーグのほかの映画監督(ロメール、トリュフォー、シャブロル、リヴェットetc)の代表作をずらっと覚え
『勝手にしやがれ』(à bout de souffle)からフランス語を学びます。

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なんとBande annonceから入ります。

La jolie fille
Le vilain garçon
Le révolver
Le gentil monsieur
La méchante femme

…と「フランス語入門編」のような言葉が並びますが
・「jolie」と「méchante」
・「vilain」と「gentil」
と反語を用いることによって、「manichéau」(二元論の)表現をしているんですねー。

そしてゴダール自らの声で

Scénario de François Truffaut

と続きます。まあ実際はトリュフォーは脚本ではなく原案程度なのですが、当時既に(『大人は判ってくれない』で)売れていたトリュフォーの名を利用したのです。
(同じように Supervision de Claude Chabrol とな。)

ヴィダル刑事役・ダニエル・ブーランジェの「La mort」では
「ここはどうでもいいシーンだけどね」と先生は一蹴しておりました。

Le concerto pour clarinette
はモーツァルトのクラリネット協奏曲、つまり葬儀を連想させるもの。

Le romancier
で映し出される人物はジャン=ピエール・メルヴィル。彼も出演してます。
ハンフリー・ボガートも映し出されていますが、彼は出演ではなく、ベルモンド演じるミシェルが憧れているだけ。
(唇を親指でなぞる仕草は超意識してる)

最後
Le Diable au corps(ジェラール・フィリップ主演の『肉体の悪魔』)
Du Rififi chez les hommes(ジュールズ・ダッシン監督作)
Et Dieu créa la femme(BB主演の『素直な悪女』)
Scarface(『暗黒街の顔役』の方ね)
と続きますが、それらの名作の要素をぜーーーんぶメランジュしたのが
「A bout de souffle」とな。

そして
Le meilleur film actuel!!
とゴダール自ら言っちゃってます。
「まあ間違ってはないけどね」と先生。

本編へ。

舞台はマルセイユから始まります。
ミシェルとcomplice(共犯者)の女の子。
船に乗るために駐車したアメ車を盗むシーン。
最初の台詞は

Après tout, je suis con. Après tout, si, … il faut. Il faut!

とミシェルの独り言。「Il faut avancer」の意味ですがまあ「avancer」(前進する)っても「voler」(盗む)つーことです。
でもここでゴダールは

Il faut oser la Nouvelle Vague!

って意味を込めてるんですって。砕けた意味だと「ヌーヴェル・ヴァーグに乗っかってやるぜぃ!」的な?

「私も連れて行って」という女の子に「Il est quelle heure?(いま何時?)」と聞いて
「10時50分よ」と答えたら「Non, ciao!」と振り切る。
なんちゅー男!!
そして「Maintenant, je fonce, Alphonse!!」と親父ギャグをぶちかまして猛スピードで車を飛ばす。

J’aime beaucoup la France.
Si vous n’aimez pas la mer, si vous n’aimez pas la montagne, si vous n’aimez pas la ville : allez vous faire foutre!

フランスが好きだ。
海が嫌いなら、山が嫌いなら、都会が嫌いなら…勝手にしやがれ!

とまあここだけでベルモンド教徒は卒倒するシーン。
「勝手にしやがれ」≒ allez vous faire comme vous voudrez
って訳されてますけど、実際「allez vous faire foutre」は「くたばっちまえ!」とか、英語で言う「F●●● Y●●!」みたいな意味です。

そしてミシェルは罪を犯します。
このシーンのカメラワークは独特なものなんだってさ。
逃げるシーンは『大人は判ってくれない』を彷彿させるもの。

で、次のシーンはもうパリ。

パトリシアのアパルトマンに勝手にあがりこんでお金を漁る(ほんと、しょーもねえ男!)ミシェル。
ここで置いてある雑誌に先生は注目。
「LIFE」という雑誌。。。。はっっ!「La vie」ってことね。
うーん、こんなとこまで注視しませんがな。

ではここで「お金」に関する表現を2つ。
・Jamais de fric, les filles!
・J’étais fauché.
「fric」=「argent」、「fauché」=「pas d’argent」

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では今日のおさらいはここまでー