『わたしの可愛い人-シェリ』CHERI

10月公開『わたしの可愛い人-シェリ』の試写会にお邪魔しました。

ベル・エポックのパリ。富と名声を得た元ココットのレアは40代にして、なお輝き続け、引退し優雅な生活を送っていた。一方、レアの元同業のマダム・プルーの一人息子シェリは、19歳で既に女遊びにも飽きているほどの”問題児”。母は秘めた魂胆で、二人の縁りを取り持つのだった。しかし、当然、二人は不釣合い!とゴシップ好きの仲間たちの激しい毒舌をも受け流し、”不覚にも”6年も暮らしてしまう。やがて、シェリの挙式を突然告げられた時、レアは一生に一度の愛だったことにはじめて気づくのだったが・・・


.ジュネ監督の作風を彷彿とさせるような、ナレーションを交えた、予想をいい意味で裏切るポップなイントロ。
1906年ベル・エポックのパリといった背景、ココット(高級娼婦)という現代人から理解し難い身分…
そもそもココットとは、美貌や知性・教養があり、当時のパリでは女性実業家のような存在。
他の職業の女性たちとは交友がない。
浮世離れした想像上の世界のようで、まったく現実味がない。
だけどもこのイントロが、作品自体のファンタジー要素を助長し、レアへの感情移入を容易にする重要な役割を果たしているんでしょうね。
ココットについての知識が殆どなくとも、すんなりストーリーに入れる。

ミシェル・ファイファーが、体のラインがくっきりと表れる崇高で優雅な衣装をバッチリ着こなしています。
52歳とは思えない肉体美にうっとり。
衣装が本当に豪奢で上品。だけどかわいらしい。

オーランド・ブルーム系統の美男子・シェリ役のルパート・フレンド君(『ヴィクトリア女王』のアルバート王子役。『プライドと偏見』での覚えがないが、実生活ではキーラ・ナイトレイのパートナーなんだっけか?)が、今まで以上にもさもさしててかわいい!
Bunkamura系観客受けが良さそうな甘いマスクで、年の差ベッドシーンも卒なくこなしてます。

全篇英語の作品ではあるけれど、背景はちゃんとフランス。
アールヌーヴォーのインテリア、舞台はパリ(ときどきビアリッツ)。
キラキラ輝くセーヌ川も一瞬見れます。
5区Cardinal Lemoine駅近くにあるÉglise Saint-Étienne-du-Mont(サンテティエンヌ・デュ・モン教会)や4つ星ホテル(円高でも1泊30,000円以上!)のREGINAも。

何より公式サイトの、萬田久子さんのナレーション入り予告編が素敵!(萬田さんとミシェル・ファイファーは同じ年齢なんですってね。)
「わたしの可愛い人-シェリ…」
しびれる。

フランス版の予告編より、断然イイ!!

90分と言う短い上映時間なので、テンポもいい。

作中の台詞「恋の決着は女がする」
…然もありなん。

ラストについては書けませんが、女として、レアの下した判断には激しく共感。


これをフランス人バージョンでキャスティングしたら誰になるんだろう、という妄想。
イザベル・アジャーニかファニー・アルダンか若しくはジャクリーン・ビセット…
シェリは青白さからも、ギャスパー・ウリエル君かしらん。