トリコロール/青の愛

フランス映画祭2009、もしかしてもしかしたら、と思ってビノシュ出演作を中心に、関連作品をひたすらおさらい中。

トリコロール/青の愛

HISTOIRE

自由・博愛・平等というフランス国旗トリコロールの色をテーマにした第一弾。青=自由。

作曲家の夫と子供を不慮の事故で亡くしたジュリー。自分だけ生き残ってしまった。荷物や家も処分し最愛の夫の未完の楽譜も処分してしまう。夫の友人で、実はジュリーに密かに想いを寄せてたというオリヴィエの前からもジュリーは去って、パリで新たな生活を始めた。
なのにふとした瞬間に作曲家である夫の新曲の旋律が頭を過る。生活を変えても夫への愛から逃げられない。
そんなある日、夫の未完の楽譜をオリヴィエが持っており、自分がその協奏曲を完成させると宣言しているのを知る。そして、夫が見たこともない若い女性と写っている写真も公開されていた。
そこで初めて夫からの愛から解放され、自由を得る。

最初に観たのは10年以上前か…
はあ、時の流れって!!

にしても当時でもビノシュのこの髪型はいかがなものかと思ったが、可愛い人は何をしても似合うんだなあ。私がこの髪型にしたら、間違いなくIKKOと言われるであろうに。
美しくなりたウィッシュ。

初めて観たときは、ストーリーや監督についての予備知識が皆無に等しく、ネズミ退治で猫を使うとか、「下着は?」「はかない主義なの」っていう件はギャグなんだろうなあと思って笑ってしまったけれども。実際はやっぱりジュリーの夫への愛とか、悲壮感とか寂しい思いとか深い意味が込められているんだよね。
壁紙、シャンデリアもどきとかのインテリア、プール、ボンボン、、、青い背景は非常に印象的だったんだけど、結局完成した曲の詩に「愛なくしてはどんな能力もない」ってあるし、青=自由っていうよりは、赤=愛のほうな気がしてならないのねん。

ビノシュはこの役をメランコリックになることなく演じ切ったそうですが、あれだけの表情と躁鬱状態を思わせるような演技に、底なき女優魂を感じます。
このとき28歳。ひえー!自分より年下じゃねえか!

なんだか憎たらしいオリヴィエ役のブノワ・レジャンはこの後、別の作品の撮影中にこの世から姿を消したそうです。。。。