ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督の最新作『ロルナの祈り』。忘れないうちにレビューでも。
正確に言えばベルギーの映画ですが、ほぼ全編フランス語ってことで、フランス映画のカテゴリに入れとこう。
感想を一言で表現しろと言われれば
「ぶっとびー!」
古い表現でデゾレ!
でもとにかく驚愕の連続だったわけで。
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HISTOIRE
アルバニアからベルギーへやって来たロルナ(アルタ・ドブロシ)は、この地で国籍を得て暮らしていくため、ブローカーのファビオの手引きで、ベルギー人青年クローディ(ジェレミー・レニエ)と偽装結婚し、共に暮らしている。
クローディは薬に溺れる生活から抜け出そうと、ロルナに希望の光を見出していた。だが、ロルナを使って国籍売買しようとしているファビオには、ロルナが国籍を取得したら彼女を未亡人にしてしまう計画があった…。
暗闇の中を彷徨いながら一縷の希望を見つけて行くといった構成も、「忘れないで お金よりも 大切なものがある」的なテーマも、いつものダルデンヌ兄弟の作品と変わらないんだけども、何かが違う。
前作『ある子供 』がもしDVDでなくビデオだったらテープがすり切れる程鑑賞した私にとっては、もう驚愕の連続。
と言うのも、ダルデンヌ兄弟初の試みがたくさんあるからなのか。
・女性が主人公
・大人が主人公
・カメラが35mm
・音楽を使用
そして何よりも!
私の大好物…いや、もとい。
私が大ファンであるモサ男くん、ジェレミー・レニエ様が、別人かと見紛う程ガッリガリに!!
この役作りのために、2か月で15キロも減量したのだとか。
その内容は1日1食、魚100グラムと野菜、水とプロテインのみ。ひー!
役者魂、さすがです。
普通の男子だったら「嗚呼鬱陶しい!」と思うような言動も多々ありますが、ジェレミーの手にかかれば私の目はハートになります。彼のような男がヒモだったなら、私は副業や博打をしてでも金を手に入れるであろう。いくらダメ男でも、時折見せる(いや、「魅せる」と言った方が的確か。)純粋無垢な笑顔には、どんな子役も叶うまい。
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そして主役のアルタ・ドブロシちゃん。ななななんと、2か月でフランス語をマスターしたのだとか。えええええ!10年以上も習っているのにも関わらず、今でも悪戦苦闘しているジャポネーズがここにいるというのに。何と言う才能ですか。アクサンこそ未熟者の私ですら判断できるものの、この撮影の2か月前には何も喋れなかったかと思うと…あわわわわ、あたふたしちゃうね。
唯一使用している曲も、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ32番。なんとまあ美しい旋律。すごいのが、普通なら「え?ここで終わっちゃう?んー、じゃあ、結末はこうでしょ!」と観る者に決断を委ねるよくある手法も、多分観る人の十中八九同じ結論で終わるような演出をしているのです。
ネタバレになるのであまり書けないのですが、ロルナのある決心を盛りたてるのに、絶妙な演出。
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今までの作品とはだいぶ異なるダルデンヌワールド。ホント公開したてなのでネタは言えないんですけど、是非ご堪能あれ。
あ、実は私大ファンのオリヴィエ・グルメも出てるんで、そこら辺要チェキラ!
ビターズ・エンド様、今後機会があれば、是非。