TIFF 東京国際映画祭2011 備忘録(4日目まで)

TIFFでギロッポン毎日通ってる。
メトロもバス会社も協力して一週間定期券とか発行してくれればいいのにー。

でもまだ3本しか見てないよ。お祭りなのに。
(転職したので有給ないんです。。)
チケット引き換えるシステムもめんどくさい。なに自分、このフランス映画祭との温度差。

あと7本は見る(チケット買った)んだけど、もう既に一昨日見た作品の記憶が薄れて来ているのでこの辺で備忘録。。。
(ややネタバレ含みますので未見の方はスルーしてください)

アウトサイド・サタン Hors satan

英仏海峡はずれのコート・ド・パール。小さな村のそばに広がる砂丘や湿地帯。そこに、ひっそりと暮らす謎めいた男がいる。男は狩りをし、祈り、火をおこす。この放浪者はどこからともなく現れ、村から悪霊を一息で追い出し、世界を悪魔の手から守るのだった。

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「世界を」??「悪魔の手から」??
歯抜けでワンカップ片手に平日昼間から酔っぱらって、3メートルは距離をあけて歩きたくなるような、胡散臭くてうすら気持ち悪い男が??
と、突っ込む姿勢で挑んではダメなんだった、デュモンさんは。

静穏で幻想的な美しい背景と、気味悪い登場人物のコントラスト。
抽象的なストーリー展開と、吐息のリアリティと。
トラウマになりそうな性交シーンと。
振り返れば振り返るほどわからない。
帰宅しても暫く呪縛から解き放たれず、もやもやーと。
この先何本も映画を見るだろうけれど、形而上学的な本作を語ることができる日が来るのだろうか。

失われた大地 La Terre Outragée

1986年4月26日。この日はアーニャとピョートルの結婚式。人生は美しく、平和な一日だった。すべては未来へ続いていた。しかしその幸せな一日に、悲劇は突然訪れる。隣町のチェルノブイリにある原子力発電所で事故が発生したのだ。ボランティアで消防士をしているピョートルはすぐさまチェルノブイリに急行する。やがて変色した雨が降り、街に溢れていた緑はいつしか褐色になってゆく。そして事故から長い月日が経ち、アーニャは被災地の観光ガイドとして働いていた。あの美しかった故郷の面影はいまだに戻ってこない…。

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マチューが出てた『007/慰めの報酬』でボンドガールだったオルガ・キュリレンコが主演。アクサンがありながらも流暢なフランス語でした。
上映後、ミハル・ボガニム監督のQ&Aでキュリレンコ自ら本作出演を志願したことを知る。

家族が引き裂かれること・故郷を失うこと・子孫を反映できないこと…チェルノブイリの原発事故そのものよりも、その事故が人間にもたらした悲しみに重きを置いて描かれた作品。
ずっとこらえてきたけれど、大きくなったヴァレリーが「りんごの木」の話をしながらカメラ目線のショットで涙がこぼれ出た。

上映開始から10分経ったところでまさかの映写トラブル。
ツイッター見てると結構トラブル多いみたいねー。

より良き人生 Une Vie Meilleure

コックのヤン(35歳)とウェイトレスで9歳の子供の母親であるナディア(28歳)は、レストランを買うためすべてを賭けることを決意する。十分な才能と情熱、そして愛と夢は持っていたが資金のない彼らは、気がつけば資金繰りと銀行ローンの泥沼にはまり途方に暮れる。その状況から抜け出すには、ナディアはカナダで職に就かなくてはならず、一方、ヤンはレストランを守るためその場に留まらなくてはならない。容赦なく殺到する債権者たち、無慈悲な制度、そして息つく間もない日々に彼と子供は追われることになる…。しかし、ヤンはついに、彼が唯一救われる道は、より良き人生を求めナディアのいるカナダに行き、愛する者と一緒にいること、そして母と子を再会させることだと気付く。

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一緒に見たKさんと、「タバコ一本もらっただけであんなどん底の人生に!」とナディアに同情しながら帰る。計画性のないジリ貧っぷりにヒヤヒヤした。
プライベートでは今世紀最大のアゲチン・ギヨームが、サゲチンサゲチンサゲチン徹底的にサゲチン役を演じることに若干違和感を覚えながらも、一縷の光が見えるラストに救われる。

カーン監督登場のQ&A、谷田部PDが司会。
前作「les regrets」への持って行き方なんかもさすがの仕切り。
カーン監督の描く愛の形は幅広いなあと感心しながら、
「忘れないでー お金よーりもー 大切なものがあるー」などと懐かしの某CMソングが脳内リフレイン。

そういやヴェーラのフランス映画の現在に全然行けていない。既見の作品ばかりなのとTIFFと日程重なると、どうにもこうにも。