ミヒャエル・ハネケ『白いリボン』

ミヒャエル・ハネケの2009年カンヌ映画祭パルムドール受賞作品『白いリボン』を観てきました。

144分という決して短くないフィルム、銀座の華やかな街から遠く離れた暗い世界。
この作品が12月4日の公開以来、連日超満席というからすごい。
あまりの盛況ぶりに、18日からは新宿武蔵野館でも上映されるそうです。

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第一次世界大戦前夜のドイツ北部。
プロテスタントの教えを信じる村人たちに、不可解な事故が次々と襲い掛かる。
小さな村は不穏な空気に包まれ、村人は疑心暗鬼に陥り、子どもたちは苦悩を感じ始めていた。

モノクロ映像が更に残忍さを強調するかのよう。
会場は暖房が効いているはずなのに、背筋がぞぞっと凍るような恐怖感を覚える。

抑圧的イデオロギーに従順な登場人物たち。
見えない敵に恐れ戦きながらも、冷徹な表情で淡々としていて実に怖い。
「お前は皺が多く口が臭い」
…直訳すぎるだけなのか、ひとつひとつの台詞が残酷で衝撃的。

今までのハネケ作品同様、ストーリーには大きな余白があり
結局謎は未解決のまま終わってしまうために脳内混沌。
事件も登場人物も数が多いので混乱するし、途中で襲ってくるとてつもない眠気と格闘しながらだったから尚更。
ラストの、美しいんだか怖いんだかわけがわからないまま響く賛美歌。
鑑賞後の余韻は、もう例えようのないカオス状態なんだけれども、不思議なほど清々しかった。

一回の鑑賞ではどうにも不完全燃焼な気がしてならない。
新宿にもう一回観に行くかな。

アモス・ギタイ特集やフィルメックスでのキアロスタミとかー
映画の感想ってすぐ書かないとだめだね、もう記憶も薄れてきちゃったよお・・・
ミミズだらけのメモ、捨てるに捨てられないけど、読めたもんじゃねえ。
速記術、身につけたい。