マチュー・アマルリック『ラヴ・イズ・パーフェクト・クライム』上映後Q&Aまとめました。

マチュー・アマルリック来日!
『ラヴ・イズ・パーフェクト・クライム』上映後のQ&Aの様子をまとめてみます。

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10日前に自身の監督作を撮り始めたばかりというマチュー。
そんな多忙な中、日本に来てくれて本当に嬉しいよー。

谷田部さん
俳優としてたくさんの作品に出演されていますが、ラリユー兄弟の作品のときは他の監督と心構えが違いますか?

マチュー
ラリユー兄弟はバカンスも一緒に過ごすような親友。
この映画を見てもわかるとおり、本当に彼らは才能があると思います。
自分の人生で経験したことがないような役を与えてくれるので、不思議な衝動のようなものを感じます。

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会場から
裸になるシーンもありますが、オファー時に抵抗はありませんでしたか

マチュー
ラリユー兄弟作品には何本も出ているけれど、裸になるのは台詞の一部みたいなものだからね(笑)
この作品だけで言えば、僕よりも女性のほうがたくさん脱いでるんでは…僕はそんなに脱いでないですよ。

会場から
ユーモアのある人物像や目を見開いた時のマチューが阿部サダヲに似てると思いました。「謝罪の王様」は日本にいる間に見ていただきたい。
演技をする上でユーモアをキープするよう心がけていることはありますか。

会場中の心の声(推測)
阿部サダヲて。

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マチュー
ラリユー兄弟の世界観は実にヘドニスト的。
深刻なこともスキャンダラスなことも、彼らの手にかかるとすごく自然な感じの表現になる。
そこから独特のユーモアが生まれて来る。
例えばこの作品でも主人公と妹との関係にはなにか深刻なことがあるんだけれども、すごく優しい表現になっている。

会場から
シナリオを読んで、この主人公はどんな人物だと思って演じましたか

マチュー
彼自身も記憶に穴があいていて自分のことを理解していません。
(作品ネタバレ含むので省略)

会場から
「ラヴ・イズ・パーフェクト・クライム」、ユーモアを交えたフィルムノワールでとても面白かったです。
マチュー監督の最新作「Chambre Blue」について教えてください

マチュー
確かにラリユー兄弟の他の作品とは異なったフィルムノワールですね。
特にカラバッジョの音楽がまたその効果があったのでしょう。
ユーモアと言う意味ではサラ・フォレスティエやカリン・ヴィアールがとてもおもしろがって演じていました。女性たちがユーモアをもたらしていると思います。
「Chambre Blue」はプロデューサーはパウロ・ブランコで、ジョルジュ・シムノンの小説の映画化。
7月に2週間、11月に2週間という二部構成での撮影。
情熱、肉体関係、そして死も描かれた映画です。

ノリコの心の声
情熱と肉体関係と死て。ざっくり。

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会場から
ラリユー兄弟の前作「運命のつくり方」でも途中から山が舞台でしたが、今回も山が舞台でした。
海や湖を描く作品は多い中、マチューさんから見て、ラリユー兄弟の山に対する特別な思いはどう感じますか。

マチュー
ラリユー兄弟はピレネー出身、二人のおじいさんが山を舞台に動物などの映像を撮っている人でした。
そんな環境で二人は映画を覚えたそうです。よく二人は「Visage et paysage」(顔と景色?)と言ってます。
この作品は原作があるのですが、原作にはない場面も多々あります。
授業で母親のことを語るときに、ある景色に例えなさいとか、心理描写でなく景色を語れと。
これは日本の文化にも通じることだと思いますね。

会場から
俳優と監督の境界線はありますか?

マチュー
他の監督作品に出るのは、友人である監督から誘われるからです。
朝起きてまず考えるのは自分の監督作品のこと。
他の監督作品に俳優として出ているときは、演技をしているというより彼らが監督している様子を見ているという感じです。
でも他の監督作品に出ていると自分の作品のシナリオを書く時間がほとんど無くなってしまいます…
短い時間で作るんだけれども、逆にいいような気もしますね。
あまりにも深刻に考え込まずに作ることができるので、そんなに悪くないです(笑)

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この日の朝に日本に到着したマチュー、出待ちファンにサイン会のサービスまで。
しかも煙草ふかしながら…☆
JUNさんが撮ってくれた私とマチューの2ショット、
このシルエット素敵すぎる!いつもありがとう、JUNさん!

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