『タイピスト!』デボラ・フランソワ&レジス・ロワンサル監督トークショー

フランス映画祭2013観客賞『タイピスト!』のトークショーの記録です。

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タイピストコンテストは実在したそうで、そのドキュメンタリー番組をテレビで見た監督が「クレイジーだぜ、わーお!」(翻訳そのまま)と思って映画にしたそうです。
そのコンテストのリサーチに3~4年も費やし、本物のチャンピオンにも会ったのだとか。
「スポ根+ラブコメ」で作品にしたい!と思ったそうで、「私、女版ロッキーね☆」とデボたん。

「他の候補の役者を殺してでも(翻訳そのまま)この役を演じたかったの!」と、強い意気込みを見せたデボたん。

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「一番好きなシーンは?」という質問で、
質問された方が「デボラがベッドで脚を上にあげたりしながらロマン君を待つシーン」を挙げたのですが
それに対してデボラたんは
「あれは私も好きなシーンなんです!実はアドリブで。”50年代の女性は脚を上にして寝る”なんてことを聞いたことがあって、やってみたらスタッフに大ウケしたの。
あと、私の大好きなシーンは、平手打ちするところ!」
すかさず司会役の矢田部さんが
「相当ロマン・デュリスに厳しい仕打ちを受けてたんですね(笑)」と。
さすが。
矢田部さんの返しはものすごく自然で面白い。

そう言えばこの映画祭、全作品鑑賞したけど、司会が
・ユニフランスのスタッフの方(フランス人2名、日本人1名)
・市山尚三さん(東京フィルメックスのPD)
そして矢田部さん、と狭く濃い範囲でカバー出来ていたのもよかったな。
少なくともミアちゃんを「女優みたいに綺麗ですね!」なんて言っちゃう女子アナ的な人を持ってこないので、どの作品のトークショーもQ&A中心ながら、かなり面白かったです!
(あ、一作品のみ通訳さんにハラハラさせられましたが)

’50年代が舞台と言うこともあり、衣装や街並、小道具についても気になるところ。
ラファイエットのHPでは公開当時こんなサジェストをしてました。。。
おいおい、ピンクっぽかったらいいってもんじゃないよ。

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トークショーの話題に戻ります。
監督の好きなシーンは
「ドラマティックなシーンで言うと、ローズ(デボラたん)とルイ(ロマン君)がパリでお別れするシーン」
と。
実は私も一番そのシーンが好きで、あのデボラたんの「Je t’aime!!」は、”ノリコ史上ベスト10なジュテーム”にランクインさせたくなるくらい大好きです。

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ベルギー出身のデボラたん、「ベルギーとフランスでの映画作りの相違」について聞かれると
「ベルギーはシュルレアリスム(超現実主義)的なところがあります。
ベルギーはフランスよりも映画製作の歴史は短く、”ベルギーらしい”古典的な映画と言うものはまだ存在しません。なので若い人たちがこれからのベルギー映画の歴史を作っていて、すごく刺激的です。」

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と、ここで矢田部さんブログにも書かれていたけど
突然英語で質問するムッシューが…
(流暢でもなく、会場中が凍り付く)
だけど、二つ質問しようとしてたこのムッシューを「質問はお一人様一問でお願いします」と仕切る矢田部さん、あっぱれ!

で、質問は「タイプするシーンはスタントを使ったのか?」ということだったのですが
「一切代役は使ってません!6ヶ月間みっちり練習しました。週3回自宅にコーチを招き、さらに宿題を出されて、かなり追いつめられた状況でやりました。監督も要求が高くて、チャンピオンの女性を私の隣に座らせてプレッシャーかけられてました(笑)」

「見終わったばかりですが、もう一回見たい!」と言う女性に
「さてはあなた、ロマン・デュリスのファンなんでしょ?」とデボラたん、その返しに賢明さが伺えます。
「実際にタイプ打ってるように映画のシーンを再現して!」というリクエストにも
「Attention!タイプ打つ時の癖で”ガシャ―ン”ってやっちゃって、私3回もパソコン壊してるんだから」などと言いつつもしっかりと応えてました。
「テニスのプレイヤーみたいに声だすんだよー」なんて監督の返しにも、「あぅ!あぅ!」と再現してみせて、なんてご機嫌なデボラたん。

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「誰にも負けない特技を教えてください」という質問には
「フランスでは”何かひとつのことに秀でた人間は役者になってない。何でもちょっとずつできるから役者になってるんだ”なんて諺があります」
って。ブラボー!

主役の二人が結ばれるシーンについて監督は
「オリジナルのラブシーンを作るのはとても複雑で難しいこと。赤と青のネオンカラーで照らすこと、彼女がバスルームから出てくるシーンなどはヒッチコックの『めまい』へのオマージュも含まれています。
ラブシーンは優しくもバイオレンスであり、繊細で官能的なシーンだからこそ難しいです。」

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最後に
「阪神大震災の取材をするジャーナリスト役の『メモリーズコーナー』から、3年間日本に戻って来ることができませんでした。その間、東日本大震災がありました。
今こうして私の大好きな日本に戻って来られたことに、心から感動しています。」
と。
ウィットに富んだトークを繰り広げていたけど、彼女はずっとこのことを言いたかったんだろうな。

もともと好きな女優さんだったけど、この日からまた一段と好きになりました。

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一方、来る来るって言って全然来てくれないロマン君…