メルヴィル・プポー主演『Laurence Anyways』

今年の映画始めはDVDでした。
フランスamazonからお取り寄せした、メルヴィル・プポー主演の『Laurence Anyways』。
フランス映画のカテゴリに入れちゃいましたが、正確に言うとカナダ映画。
(モントリオール出身の監督・グザヴィエ・ドランは’89年生まれ!)

アップリンク配給で、今秋日本公開予定。

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DVDはフランスで発売されたとほぼ同時期に注文して割とすぐ届いたんですが、
この作品、2時間39分と言う尺なのです…
ちょっと覚悟しないと、PCの画面にへばりついて見るには辛い時間。
そんなわけで年越しになってしまったのですが、評判通り素晴らしい作品でした。
パートナー・フレッド役のシュザンヌ・クレマンも、母役のナタリー・バイもすごくよかったけど
なんといってもプポリンの演技がすごすぎて最後は涙が出た!
早くこの興奮を映画館で味わいたいー。

婚約者であるフレッドに、「女性になりたい」とカミングアウトするローレンス。
時代背景は’90年代。ダサさとかっこよさの紙一重のファッション(インテリアはかわいい!)もさることながら…
性同一障害に対しての偏見が強かった時代。
教師をしていたローレンスは退職を余儀なくされるも
偏見や、女性になることへの恐怖心、周囲の変化に果敢に立ち向かっていく――
と、ざっくりこんな感じの物語。

この作品の難をひとつ挙げるならば、時間が長いことなんだけど(前半は特にそう)、
↓ここ辺り(説明長い)から物語の加速度はアップしていきます。

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カミングアウト後も普通に生活するローレンスとフレッド。
そしてベッドを共にする二人。
それはカミングアウト以前とまるで変わらない生活。

ローレンスの背中にポール・エリュアールの詩の一部を書き綴る。
Sur la santé revenue / Sur le risque disparu /
Sur l’espoir sans souvenirs / J’écris ton nom
とアイライナー(多分)で書いた後、モナリザが飾ってある壁に大きく
「Liberté」(その詩のタイトル)とスプレーで書く、という切り返し。
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Visageの『Fade to grey』が流れる辺りから二人の関係の変化もあり
プポリンの女度も増していき、どんどん面白くなっていくのです。

久しぶりの再会、年を重ね、境遇も見た目も変わったのにも関わらず
以前と変わらずに笑い合う二人の姿は「同士」といった感じで、すごく好き。

後半の”フレッドの”カミングアウト、オチはなんとなく予測出来たけど
それでも彼らの迫真の演技に圧倒させられ、思わず涙。

「159分」という時間に気構えてたけど、
叙事詩的映画、観賞後は感動で暫く動けず、寝正月に拍車がかかったのでした。

【輸入盤】 Un Simple Appareil [ メルヴィル・プポー ]

ブロークン・イングリッシュ [DVD]

夏物語 [DVD]

ぼくを葬る [DVD]

☆個人的フランス語メモ☆
・zibeline
黒貂(くろてん)
変身してから初めてママに会うシーンで、誕生日プレゼントとしてあげたのは
黒貂の毛皮できたブラシでした。

・bisbille
諍い、些細な喧嘩

・ecce homo
「この人を見よ」、去年残念な形でニュースで取り上げられてたけど…
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「pédéraste」(ホモ)という言葉を使うのと同じシーンで出てきました

・ostie d’grosse vache
ケベクワ語、「ostie」は「vraiment」かな、、、
conasse(馬鹿女)と同じ意味でとりましたが、違うかな。。。

・tabasser
殴りつける

・meuf
femmeを逆さに読んだらmeuf

プポリンのウィンクが、素敵過ぎた。