クリストフ・オノレ『Les Bien-aimés』

昨日はKさんとフランス会議。
会議っつっても、今年のフランス映画祭団長を上から目線でひたすら予想すると言う、なんとも愉快なひとときなのですが

そういえば最近映画の感想ろくに書いてないことに焦りを感じ、
もう何を見たのか覚えておらず記憶を辿りながら記事にするのもあれなので、
先月フランスから届いたDVD『Les Bien-aimés』(クリストフ・オノレ監督)を再鑑賞しながら「レビューを書く」感覚を取り戻そうと思います。

2180/10171″ target=”_blank” rel=”noopener noreferrer”>

Muguetteの『Ces bottes sont faites pour marcher』(ナンシー・シナトラ『These Boots Are Made For Walking』のフランス語カバー)の軽やかで鮮やかなイントロ。

靴屋で働くマドレーヌ(リュディヴィーヌ・サニエ)。
閉店間際に盗んだ一足の靴が彼女の人生を大きく変える。
娼婦としてジャロミル(ラシャ・ブコヴィッチ)と出会い、彼の故郷であるプラハへ移住し娘・ヴェラを授かる。

親子関係、恋愛、同性愛、SIDA、不倫、、、、
様々な愛に関わる問題を描いた作品。
「コメディミュージカル」とカテゴライズされているので
軽快なコメディ色が強い作品かと思いきや、いや泣けました。

30年後のマドレーヌをカトリーヌ・ドヌーヴ、ヴェラをキアラ・マストロヤンニと母娘共演、
ヴェラの元彼役にルイ・ガレルと、なんとまあ豪華絢爛なキャスト。
そして何より豪華なのが、『カッコーの巣の上で』『アマデウス』の監督・ミロス・フォアマンが年取ったジャロミル役で出演。
(どおりで最近Amazonの「あなたにおすすめの商品」でやたら「パパ/ずれてるゥ! 」が出てくるわけだ)

パパ/ずれてるゥ! [DVD]

年取ったジャロミル、相変わらずマドレーヌを弄び、図々しくもおちゃめで憎めないおじいちゃんなのです。

私は、他の人と「お涙ポイント」が合致しないのですが、
ジャロミルがヴェラに贈ったドレスを入れたインド洋品店の袋がスクリーンの傍らに映っていたところで号泣しました。
ジャロミルがスクリーンから消えるのがあまりにもあっけなく、それが最後のプレゼントだったことも、黒ずくめファッションのヴェラとのギャップも、袋にプリントされた陽気なインド人も…
巧く言葉にできないのが歯がゆいのですが、何度見ても泣けます。

泣きはしなかったけれど、ドヌーヴを真ん中に、キアラとルイ・ガレルが三人腕を組んで歩くシーンは鳥肌立ちます。

「この単細胞め!」と自ら悲しくなるくらいの連想力なのですが、ドヌーヴが駅のホームに立つ姿を見るだけで、『シェルブールの雨傘』の「je t’aime」を思い出し
(ジュヌヴィエーヴが、最後までギィを見送ることなく駅舎に戻る潔さも含め)

ラスト、思い出のアパルトマンのドアにもたれかかるシーンでは『昼顔』の隣室を覗くアングルを思い出し

昼顔 [DVD]

と、若かりし頃のドヌーヴを思い出すことが多々あるのですが、
これはきっとオノレの意図的なものではなく、私の辞書が乏しいだけではなく、
父・マルチェロ・マストロヤンニの相当濃い遺伝子を持ったキアラが若きドヌーヴと重なり
そしてサニエ嬢の好演があったからなのだと思います。思いたい。

女としては、ファッションも要チェックポイント。
ポスターにもなっているサニエちゃんの水玉レインコート&ピスタチオ色のワンピもかわいいし
キアラの美脚を際立たせるショートパンツ&ブーティも素敵だったけど、赤いスキニーもいい。あとあのショート丈ナポレオンジャケットも欲しい。

2180/10172″ target=”_blank” rel=”noopener noreferrer”>

ヴェラは
プラハでの幼少時代は金髪
→14歳のときには黒髪
→大人になったら金髪
→最後の方のシーンは黒髪
と髪の色の変化があります。
黒髪に戻ることで「リセット」したのだろうけれども、それからが辛く切なく。。。

今までドヌーヴ様を一番「かわいく」撮るのはオゾンだと思っていましたが、
このドヌーヴもまた子供のようにかわいらしく。
この可愛さが際立ったからこそ、ベビーフェイスなサニエ嬢(過去)と大御所ドヌーヴ様(現在)がシンクロするラストは違和感なく見れたのだと思います。

2180/10173″ target=”_blank” rel=”noopener noreferrer”>

あ、一日頑張れば祝日だ