パトリス・ルコントがアニメ映画化『ようこそ、自殺用品専門店へ』Le Magasin des Suicides

2008年に引退宣言をしたパトリス・ルコント。
これが長編最後の作品となるのでしょうか…なんとアニメ映画。フランスでは来年2012年公開予定。

原作はジャン・トゥーレの「ようこそ、自殺用品専門店へ」(Le Magasin des Suicides)。



10代続く老舗の「自殺用品専門店」へようこそ!どんな死に方をお望みで?首つりロープ、切腹セット、毒リンゴにタランチュラ。ふつうの死に方から、男らしい死に方、女らしい死に方まで、死を願うすべての人の希望を叶える商品を取り揃えております。店はわれわれテュヴァッシュ家が代々経営していますが、おかげさまで、いつもそこそこに繁盛しています。われわれ一家はこの店にふさわしく、暗く、陰鬱で、笑ったことなど一度もありません。だからこそ、お客様にも信用していただけるのです。長男のフィンセントはいつも頭痛に悩まされ、頭は包帯でぐるぐる巻き。現代のゴッホのような風格です。長女マリリンはものぐさで覇気がないけど、店の雰囲気を壊したりはしません。…なのに、末っ子アランが生まれてから、すべてがめちゃくちゃです!この子がベビーカーのなかで笑うのを見たときから、イヤな予感はしていたんです…

遅読の私でも通勤電車往復+α、一時間半程度で読めてしまうほどのボリュームでした。

長男はゴッホから「フィンセント」、長女はマリリン・モンローから「マリリン」、次男はアラン・チューリングから「アラン」、というように、登場人物や会話の中に出てくる人名が自殺した歴史上の人物にちなんでつけられています。
ディスコが“カート・コバーン”、高校が“モンテルラン”、通りの名前も“ベルゴヴォワ”だったりと、ホント徹底してる。
でも本だから文章内の注意書きで気付くけど、映画だったらそのまま素通りしちゃうだろうな。

自殺の方法がアナログで、脳内に描くイメージもレトロな時代背景だったんだけど、通貨がユーロ!現代かっ。

憂鬱もコンプレックスも厭世観もちょっと見方を変えればポジティブに転換できるという流れからも、「前向き」で「幸せな」作品しか撮らないと宣言したルコントの言葉からなんとなくオチが予測できてしまう。。。
からのー、ラスト。あら、おもしろい。

絵のタッチとか予告編が割とツボだったので、日本でも公開してくれることを楽しみにしてます。

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ようこそ、自殺用品専門店へ

でも結局ルコントはこの作品が一番。

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途中でややエロティックな描写があった。そこだけ表現するために、マリリン役をレア・セドゥで実写化してほしい所存。
ミシマはカド・メラッド、ルークリースはヨランド・モロー、アランはマクサンス・ペラン君かな…フィンセントはギャスパー・ウリエル!!、、、ってキャスティングの妄想、楽しいですな。