今秋、日仏にオリヴィエ・アサイヤスがやってくる!
鉛の時代 映画のテロリズム Les années de plomb(日仏公式HPより)
そこで上映予定の『カルロス』。
個人的に絶対予習必須なので、一足お先にラテンビート映画祭にて鑑賞しました。
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1949年にベネズエラで生まれたイリイッチ・ラミレス・サンチェス(通称カルロス・ザ・ジャッカル)は、資本主義社会を憂い過激派の道へ突き進む。1970年にはパレスチナ解放人民戦線(PFLP)のテロ計画に参加。さらにパリでは、ハーグ事件やOPEC本部襲撃事件などのテロ活動に関わっていく。
世界が混沌としていた70年代に暗躍した伝説のテロリスト、カルロスの真実に迫った衝撃作。テロ活動にのめり込んでいくカルロスの生き様にスポットを当て、実際のニュース映像を交えながらドラマチックに描いていく。テレビのミニシリーズ「コードネーム:カルロス 戦慄のテロリスト」を映画として再編集。2010年のカンヌ国際映画祭でプレミア上映され、話題となった。映画にもなったベストセラー小説「ジャッカルの日」のモデルはカルロスとも言われている。
(ラテンビート映画祭公式サイトより)
なんとまあ、今年1月にWOWOWで『コードネーム: カルロス 戦慄のテロリスト』として放送されていたのにも関わらずすっかり見逃していたドジな私。。。(日仏ではこの完全版上映なのかしら)
そのテレビ番組用に撮ったもの(5時間半!!)を映画用に編集した作品とはいえ、上映時間は165分、映画にしては長いほうではあります。
語るべき要素があまりにも多すぎて、この映画バージョンの時間ではカルロスの心情どころか人格すら把握するのも難しかったのですが、いやはや、面白かった!!
単なる重々しい伝記映画にあらず、アサイヤス独特の大好きな「光」の使い方も健在だったし、突如として流れるロックな選曲もバルト9での爆音で聞けてよかった。
カルロス、脂肪吸引手術後に性病で睾丸手術ってのも哀れむしかないんだけど、その手術のときに逮捕されちゃうとかもう情けないくらい人間味に溢れるおデブちゃん。
…と書くとコメディ的な間抜け人間にしかならないな…。
テロリストとしての冷徹さはそこまで感じられず、カルロスの人間的な感情が描かれていたような気がする。結局、各国家の思惑に踊らされていただけのような、テロリストに感情移入してしまうような作り。
ベルリンの壁崩壊辺りから堕ちて行くテロリスト。崩壊前後のコントラストも面白い。
165分間、戦慄のテロリストらしい、カリスマ性あるかっこいい言葉バンバン放つんだけど、結局「睾丸」ってワードしか頭にこびりつかないという自分のお馬鹿っぷり。
カルロス役はエドガー・ラミレス。アングルによってはジョニー・デップに似て蝶。痩せたり太ったりの役作りだけでも大変なのに、何ヶ国語もの台詞を覚えるのは相当苦労しただろうに…と感心していたのですが、もともとスペイン語(母国語)、英語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、ドイツ語が喋れる人だったのですね。なんでもお父様が外交官で、小さい頃から各国転々としていたそうで、国際テロリスト・カルロスを演じるには適役でした。
カルロスが痩せてるときに自慢げに曝け出していた裸体。今思えばあの「睾丸」はかなり立派だったなー、と…(やっぱり記憶は睾丸)
『チェ 28歳の革命』にもシロ・レドンド役で出てました。
個人的にはナーダを演じたJulia Hummer(ジュリア・フンマー)ちゃんにハマった。
レア・セドゥのような危うさ・脆さがあって、透明感あるビジュアルもかわいいし(北欧系かと思ったらドイツ人なのですね!)、それでいて実はカルロスすらも怖がらせる内に秘めた恐ろしさもモロ出てて、すごくよかったー。
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実際はかなり脚色しているようで、本物のカルロスは獄中から野次を飛ばしてたみたいですけど(てか見たのかよ)。