下高井戸シネマでエリック・ロメール 芳醇なる至高の話芸PART2上映中!
昨日は火曜日1,000円の日だったので、『木と市長と文化会館』を観てきました。
文化会館建設の代償に伐採される樹齢100年の木をめぐり市長や様々な人々が、かんかんがくがく。偶然に翻弄される人々をユーモラスに描いた風刺喜劇。
ロメールの十八番・自然保持の訴えが全面に描かれているので、観ている者でさえも市長ジュリアンの考えに賛同できず、反対派を応援してしまう。恋人のベレニス(『海辺のポーリーヌ』のアリエル・ドンバール☆)に熱く語っても「ねえ、ヒゲ生やしたことある?」なんて話をそらされるし。孤高な人になってでも建設計画を推し進めるジュリアンが不憫にも思えてくるんだけどね。
生粋のパリジェンヌのベレニス、田舎の景色で目に映るもの全てに「extraordinaire!(すご~い!)」を連呼するんだけど、「でも4,5日で飽きるわ。」なんてバッサリ。
建築計画にいちいち文句つけるし(でも駐車場のくだりは後からじわじわ来る笑いが)。
マルク(ファブリス・ルキーニ)が歯茎むき出しにして声を大にし持論を唱えるも妻と子供に軽くあしらわれるシーンとのコントラストも面白い。
ルキーニってやっぱりものすごく強烈なスパイス。彼が出てくると一気に主題への辛辣さが増すもの。
個人的にはマルクの娘・ゾエ役のギャラクシー・バルブットに助演女優賞をあげたいくらい。あのあどけなさ・可愛さでもって一番大切な長台詞を言われた日にゃあ、そりゃあ(ネタバレもごもご)。。。
「風刺喜劇」というだけあってフランスの政治家の言葉が台詞に引用されているようです。あー、勉強してから挑めばよかった。失敗。
とは言っても、結末には思わず涙。前に見たときには「なんてオチ!」って思ったけど、「田舎暮らしは毎日がバカンス♪」なわけないけど!
今自分たちが置かれてる状況からなのかしらね。ジーンと響いてきました。
嗚呼、ロメール体験って最高。
ロメールが描く自然は、スクリーンからもマイナスイオン放出してるよ、絶対。
エリック・ロメール・コレクション DVD-BOX VI (レネットとミラベル 4つの冒険/木と市長と文化会館/パリのランデブー ) |
下高井戸シネマ、ロビーには私の断捨離活動を阻止するような宝の山が~!
ロメール作品のパンフ・フライヤーのコピー☆
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ロメール特集のフライヤーは、今が21世紀だってことを忘れさせるような手作り感。ブラボー。
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