ダンシング・チャップリン

GWに、連日超満員の『ダンシング・チャップリン』を観に行きました。
『Shall we dance?』から15年も経っているのですねー

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http://www.dancing-chaplin.jp/

本当はその前の週に観たかったんですが、3日先まで満席状態で。
「この日なら行けるかも!」ってときに奇跡的にネットで中ほどの席が予約できたので、本当にラッキーだったと思う。
「周防監督が撮る、草刈民代のラストダンス!ローラン・プティ振付!」
と誰しもが惹かれる題材だし、もう少しキャパのある劇場でも良かったのではないかなー。

会場内の年齢層は高め。みなさま嬉々とされているのが印象的でした。
自分はバレエは2時間体験レッスンくらいしか経験がなく
バレエ自体鑑賞経験が乏しく何も語れない立場にあるのですが、それでもバレエ映画は大好き。
至高の美を愛でることが好き(そもそもないものねだりだから…)。
そして煌びやかで優雅なステージ上の演技からは想像も出来ない、裏舞台の弛まぬ努力の過程を知ることも好き。


記憶が定かではないけど、
バレエ映画好きになったのはこの作品からかなー…

エトワール [DVD]


こちらはクラピッシュが監督を努めたドキュメンタリー。

オーレリ・デュポン 輝ける一瞬に [DVD]


これも好き☆フレデリック・ワイズマン監督作品。
長いけど!

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と、それてしまいましたが作品の感想をば。

この作品、136分という映画としては一般的な長さなのですが
“製作者の意図により”「幕間(entracte)」がもうけられています。
(客席は明るくなるものの、その間もフィルムは回り続けているようでしたが。)

第一幕『アプローチ』はメイキング。
プティへのアプローチから、60日間のリハーサルの日々。

「舞台はそのときだけのもの。だけど映画のフィルムは永遠に残るの。」
勿論バレエは舞台を鑑賞するのが格別だけど
表情や動きのディテールを何度も繰り返し見れるのは映画のいいところ。
舞台と映画とでダンスを区別化。
妥協を許さない、完璧な演技を追求する草刈さんの真剣な姿に、プロ根性を感じたのね。

チャップリンを踊るのはルイジ・ボニーノ。世界で唯一、この作品を踊ることを許されたダンサーなのだとか。
演じるにあたり、チャップリンの作品を彼が改めて見なかったことには勿論驚かされたけど
’91年の初演からずっとこの役を演じている彼、なんと60歳!
最初のアプローチシーンがちょっとお茶目で、一気に好きになる。

チャップリンの四男・ユージーンへのインタビューも。
そして最後にプティの涙するシーンが…

舞台裏をしかと脳内にインプットした後は、第二幕の「バレエ」。
舞台バージョンは全2幕20場のところを、13場に絞って再構成したもの。
プティが頑なに拒否していた『二人の警官』『警官たち』で周防監督の押しの強さに思わずつっこむものの、箸休め的な感じになってて顔がほころぶ。
映画用に撮られているので臨場感はそこまでなかったけど、極上の美しさ、表現力にただただ酔いしれる。
メイキングで比較的長い時間が割かれていた(ひとつのドラマがあり…)『空中のバリエーション』には鳥肌、涙。
会場からは何度も拍手が。

プログラムは1,100円。(クラブC会員でのチケット料金より高いのねん)
映画のプログラムとしてはお高めですが、飛ぶように売れていました。

周防正行のバレエ入門

監督の、妻への愛があってこその作品でしょうね。
ごちそうさまでした。