『Paper Birds』Pajaros de papel

ラテンビート映画祭オープニング作品『Paper Birds』。

この間深津絵里が最優秀女優賞を受賞した第34回モントリオール世界映画祭で、
First Films World Competition部門・観客賞を受賞した作品。
今秋、銀座テアトルシネマ他全国公開も決まっています。

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喜劇役者のホルヘは、爆撃で妻子を失い、深い悲しみに暮れる。
1年後、相方のエンリケと再会した彼は、孤児のミゲルを引き取り、家族のように暮らし始める。
ホルヘはミゲルのコメディアンとしての才能を見抜き、芸を教え込む。
ホルヘにスパイ容疑をかける軍の監視におびえながらも、気丈にふるまうホルヘと、彼を父のように心から慕うミゲル。
戦争が暗い影を落とす中、力強く生きる彼らに待ち受ける未来とは―。


家族という最小単位の組織、かけがえのない仲間、――
「愛」をテーマに描かれた傑作。

温かいスープすら飲めない戦時中の人々に、舞台はこの上ない娯楽だった。
しかし戦争はすべてを奪ってしまった。
戦争が終わっても、決して末梢することのできない事実は
誰もの心に深い深い傷を残す。

戦争で家族を亡くし、仲間の前から突然姿を消すホルヘ。
彼は失踪中の一年間のことを、決して語ろうとしない。
悲しみを乗り越えるのには一年という期間では短すぎ、親しかった仲間にも心を開こうとしない。
喜劇役者という職業は、つらい壁にぶち当たったときには特に過酷。
何があろうとも、ステージに立って人々に笑いを振りまかなければいけない。
精神的に苦悶しつつ、健気に現実と立ち向かう彼の姿に感銘。

音楽も素晴らしいと思っていたら、エミリオ・アラゴンが監督・脚本・製作・音楽を担当されたのですね。
年老いたミゲルを演じているのは、監督の実の父親なのだとか。
彼がコメディアンとして名誉ある賞を受賞し、観客でいっぱいのステージ上で歌う姿は、見ているだけで涙がこぼれました。

上映後には、エミリオ・アラゴン監督、本作に出演されているカルメン・マチさん、映画祭プログラミングディレクターのアルベルトさんが登壇。
そして目の前には美輪さん。(しつこい)

本作は今秋全国公開が決まっていますが、
スペインやメキシコの映画が大スクリーンで観られるなんて、滅多にない貴重な機会。
ラテンビート映画祭、東京会場は23日までです。
是非。

アクションも銃声もCGもない映画は大好物だけど
エロティシズムが足らないかも。

『Paper Birds』と
あわせて観たいアルシネテランさん配給作品

幸せはシャンソニア劇場から [DVD]


明日からポルトガル映画祭に参戦★
そして日仏学院では「地中海ウィーク Semaines de la Méditerranée」が始まりました。

もう、どうしろってんだ。
時間もお金も全然追いつかないっちゅーに。