ホルテンさんとピリペンコさんとバティニョールおじさん

最近、心がほんわかする、おじさんが主役の映画を見る機会が多い。

・・・何に飢えているんだ、私は。

ホルテンさんのはじめての冒険

オスロに住むホルテンは鉄道の運転士。
規則正しい生活を心がける彼の生活も今週末で定年を迎える。
いよいよ退職前夜、同僚が送別会を開いて勤続を表彰してくれるが、彼は翌朝の勤務に備えて早く帰ろうとする。
だが、誘われて二次会へ。
タバコを買いに出かけて戻ると、マンションに入れなくなってしまった。
工事用の足場を伝って他人の部屋に侵入するも、そこで眠りこけてしまい、翌日運転するはずの列車に遅れてしまう…。


ホルテンさんのはじめての冒険

真面目一辺倒で生きてきた人の
一度道を踏み外したときの行動って、尋常でないよね。
無口で何事にも真面目なホルテンさんの、
表には出さない「あたふた」っぷりがサイコーにかわいい。

凍りついた道路をソリで滑るサラリーマン。
ノルウェーの冬。
夜が明けない、暗い背景。

なのに、あったかい。
観終わった後のほどよい高揚した感じは
スキー場でさんざん滑った挙句の、カレーライスの美味さと似ている。

ピリペンコさんの手づくり潜水艦

先月試写で鑑賞。10月下旬公開作品。

ウクライナの小さな村に住む年金生活者ピリペンコさんの夢―それは手作り潜水艦で黒海に潜ること。
そんな彼と、彼を取り巻く人々を追った異色のドキュメンタリー作品が登場。
貯めた年金を切り崩し、夢に向かって爆走するピリペンコさんと、彼に翻弄される奥さんや村人の愛らしくもトボけた姿が大きな反響を呼び、世界各地で絶賛された作品。

わかる、わかるよ、ピリペンコさん。
年金よりも高いモーターを買おうとするその気持ち。
客観的には馬鹿げたように思える趣味でも、
明日の生活など考えずに没頭してしまうんだよね。

日本のコンビニエンスな生活に慣れてしまっていると
シャワーも、欠けた食器も、全部アナログで
ままごとの世界に見えてしまう。

趣味に一生懸命。
「ちゃんと、いいかげんに、生きる」
ピリペンコさんと自分に、共通項を見出した気がしました。

バティニョールおじさん

1942年、ナチス占領下のパリ。
ドイツ軍はユダヤ人検挙の協力をフランス国民に要求していた。
肉屋を営むバティニョールは、ナチス支持者の娘婿が隣家のユダヤ人、バーンスタイン一家を密告したことから図らずもナチスに協力してしまう。
おかげでバーンスタイン家の財産まで引き継いでしまうバティニョール。
そんなある晩、バティニョールのもとにバーンスタイン家の12歳の息子シモンが現われる。
連行先からなんとか逃げ出してきたのだった。
慌ててシモンを匿うバティニョール。
仕方なく、シモンをスイスへ逃そうと画策するバティニョールだったが…。



幸せはシャンソニア劇場から』のピゴワルじいちゃん、ジェラール・ジュニョ!!
今と変わらず、ツヤツヤ丸くてかわいいおじちゃんです。
ナチス占領下のパリが背景ながらも、殺伐とした雰囲気や残酷なシーンはなく、ジュニョのようにほんわかムードでストーリーは展開していく。
笑えるんだけど、気がつくといつも泣いてる。
ジュニョ、やるなあ。

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