ソニック・ユース×オリヴィエ・アサイヤス『NOISE』

オリヴィエ・アサイヤス監督の『NOISE』を観てきました。

25日までの3週間期間限定上映だった!!
よかったー、間に合って!

-ソニック・ユースの4人が、2人ずつのユニットに分かれて何かやったらしい。
それをオリヴィエ・アサイヤスが撮ったらしい。…ちょっと面白そうだから行ってみるか!

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うわ…フライヤーぐっちゃぐちゃ

2005年6月にフランスで行われたアート・ロック・フェスティバルに、ソニック・ユースのメンバー4人が、MIRROR/DASH(サーストン・ムーア&キム・ゴードン)、TEXT OF LIGHT(リー・ラナルド&スティーヴ・シェリー)の、2人ずつ2組のユニットに分かれて出演した。そこでは彼らの通常以上に実験的かつアヴァンギャルドでフリーキーな音が全開で炸裂していた!その壮絶なアクトを含む、フェス全体のディレクションを任されたのは、自作『デーモンラヴァー』で音楽面をソニック・ユースに委ね、過去にも幾度となく彼らの音楽を劇中に使用してきた、気鋭の映画監督オリヴィエ・アサイヤス。ステージをとらえる親密かつ迫力の映像は、いわゆるライヴ・ドキュメンタリーの枠を超え、彼らの「音の根源」=NOISEを映し出す! まさに「音を見る映画」!ソニック・ユースのほか、女優兼歌手のジャンヌ・バリバールや、“カナダのソニック・ユース”ことメトリックなど、アサイヤスゆかりのアーティストたちも出演。また、ジム・オルークもエンディングで音楽と映像を提供しており、この刺激的な映像に色を添えている。『デーモンラヴァー』の爆音上映のソニック・ユースの音で感動した人は是非ともお見逃しなく!
映画『NOISE』フライヤーより)

「音と映像が対話することの明白さ、映画作家とミュージシャンが共存することの明白さ」
(オリヴィエ・アサイヤス)
…レベル高すぎるか、、、という不安もありました。
ノイズはクラシックよりもさらに苦手な分野であるのですが、ソニック・ユースは長年大好物だし、アサイヤスが撮ればまた別でしょう、ってなわけで挑んできました。

結果、かなり楽しめました。
ドキュメンタリーって言うからもっと舞台裏も覗けるかと思いましたが、純粋にライヴ映像です。

いきなりナイジェリアのALLA(アラ)から始まります。
なになに?なにが始まるの??
全然ノイズでもなんでもない、ウードという楽器の演奏にグッと引き込まれる。

PASCAL RAMBERT(パスカル・ランベール)の、フランス語の朗読(?)、WHITE TAHINA(ホワイト・タヒナ)のノイズとベビーボイスの融合にメロンメロン。ジョアンナ・プレイスの虚ろ気な横顔と、無造作な髪の毛。そのアングルがたまらない。
MARIE MODIANO(マリー・モディアノ)のもつTHE・メランコリーな雰囲気は、是非とも身につけたいところ。

『恋ごころ』『ランジェ公爵夫人』(ともにジャック・リヴェット監督)、そんでもって『サガン -悲しみよこんにちは-』(ディアーヌ・キュリス監督)や『Clean』(オリヴィエ・アサイヤス監督)などなど、数々の著作での演技が評価されているジャンヌ・バリバールが、めちゃくちゃかっこいい。
演技では女らしさがムンムン漂っているんだけれども、低いトーンで渋く、そして細い二の腕をプルプルさせながら情熱的に歌う姿は、観てるこっちが震えた。

MIRROR/DASHミラー/ダッシュ(サーストン・ムーア&キム・ゴードン)は、もう息ができないくらいに飲み込まれた。

METRICメトリックは、もう虚無感。

ジム・オルークのエンディングから館内の照明が明るくなってからも暫くは放心状態で。

理解するとかそういうレベルではなく、本当に「無」の状態で映画を観たのは久しぶり。