彼女の名はサビーヌ

彼女の名はサビーヌを観てきました。

映画『彼女の名はサビーヌ』


―サンドリーヌ、明日も明後日も、会いにきてくれる?

女優サンドリーヌ・ボネールが自閉症の妹に贈る「映画」という「抱擁」

HISTOIRE
サンドリーヌ・ボネールには、陽気で美しく芸術的才能が豊かな1歳違いの妹サビーヌがいたが、自閉症の妹は幼いころから特別なケアが必要だった。兄の死を契機に彼女の孤立感は増し、その不安が家族と自分に対する衝動的な暴力として現れてしまう。やがて、不適切な診断で28歳で精神病院へ行くが、退院時には変わり果てた妹の姿があった。

『仕立て屋の恋』などフランス映画界を代表する女優サンドリーヌ・ボネールが、自閉症と25年間闘い続けた実の妹の姿を追ったドキュメンタリー。初の長編監督として脚本・撮影もこなしたサンドリーヌは、妹サビーヌの若いころの姿から、不適切な診断を経て施設に暮らすはめになった現在までの変化を慈愛に満ちた姉の視点から映し出す。自閉症患者ケアの問題に一石を投じると同時に、容赦ない悲劇に見舞われた姉妹の姿に心を揺さぶられる。

フランス国内では自閉症患者に対する医療体制が整っていない。さらに悪いことには、自閉症がどんな病気なのかを知っている医療関係者が少ないのだとか。
この映画を観る前にフラン・パルレのサンドリーヌのインタビューをじっくり読んでいたのですが、ここまでとは!!

フランスでは自閉症者は「精神病患者」と判断され、サビーヌは5年間精神病院に監禁されてしまうのですが。。。入院する前は、それはもうスラッと伸びた長い手足と無垢な笑顔でサンドリーヌそっくりのアイドル並みのかわいさ。それが5年後には30キロも体重が増え、目はうつろでよだれを垂らし、別人。あまりの変貌振りに、目を背けたくなった。

でも昔の映像と現在のサビーヌを交互に映し出していくことで、なんだか彼女はまた元の姿に戻って行くような期待をしてしまうんだ。
昔の映像をサンドリーヌがDVDにしてサビーヌ自身に見せるラストシーン。もう、涙がボッロボロ!

サンドリーヌの強い希望と愛があるからこそ。
「観た人すべての胸を締め付けた」っていうポスターの言葉通りの映画です。

予告編だけで、もう泣けてくるんだ

アップリンクはキャパが小さいながらも、ほぼ満席。涙を啜る音もちらほら。