Paris 2010: パリ大洪水

パリ関係当局機関の全面協力を受け、パリ大洪水をリアルに再現したディザスターパニック。2010年冬、欧州北部では2週間も雨が降り続いていた。やがて、パリから遠く離れた支流の流量は危険数値に達し、本流であるセーヌ川に一気に流れ込み…。
(「DVD NAVIGATOR」データベースより)

LA GRANDE INONDATIONって原題まんまの「パリ大洪水」。1910年に大洪水が起こったパリの街に、同様の悲劇が起き得るであろうという仮説に基づいたドキュメンタリー的映画。
映画というよりは教習ビデオっぽい。この全面協力している“パリ関係当局機関”からパリ市民、フランス国民への警告とでも言えるのでしょうか。

いやだ、こんなの。パリがこんな悲惨な姿になるのは、絶対いやだ。

どんなに警戒していてても天災はいつやってくるかわからないし、いざというときには何もできない。避難訓練を重ねていても、いざ防災ベルが鳴ったときは「また誤作動だろう」と思って微動だにしなかったり、地震で揺れを感じたとしてもよほど最初の揺れが大きくない限りは「怖いー!」と騒ぐだけだったり。母校が水没したり、実家からほど近いところが大震災の被災地だったりするけど、結局私、天災に関して防御策なんて施していない。情けないな、自分。

日本は地震が多いけれど、フランスは地震なんて殆ど皆無。だけど別の天災に怯えているんですね。
この映画が大洪水対策のひとつとして貢献しててくれればいいのですが。
あんな美しく素晴らしい街が水没してしまうなんて考えたくもないけど、かなりの高確率で1910年以来の、未曾有の大惨事が予想されているだけに、目を背けるわけにはいかないんだろうな。

これを見た一人一人が、単なる仮定ととるか、明日からの行動パターンを変えてみるくらい影響を受けるかって捉え方によっては惨事は防げるかもしれない。だけどなんだろう、見たところでどうしよう、どう行動すればいいのかさっぱりイメージできない。
そして・・・この映画は誰に訴えているんだろう。フランス人への警告だったら、全編英語ってのは、まったく響いてこないんじゃないかな。少なくとも英語がさっぱりわからない私には、結局大洪水は「過去のこと」としか思えなくて。やっぱりこれはフランス語でつくるべきでしたよ。

「パリには対策がある」と冒頭で断言していたけど、最後の最後の台詞(ナレーション?)で「えええ???」ってずっこけたのは、私だけではないでしょう。

とにかくお願い。現実にならないで。
パリは「たゆたえど沈まず」だから!!