ゴダールは、初期の作品以外は観るときある程度覚悟がいる。
博識と正反対の言葉が似合う私にとって、脳みそをフル回転で動かしても、まったく理解できなくなるから。
見終わった後で解説を聞いても、それでも理解に苦しむ。
私の解釈が確かなら、フランス語の先生はこう言った。
「ストーリーを読み取ろうとしていてはダメだ。フランス人の僕でさえ理解ができないんだ。彼は真のインテリだからね。」
なんかそう言われると気負わずに観れるかな。そう思って久々に観てみた彼女について私が知っている二、三の事柄。
排気ガスが蔓延するパリの郊外。対比してカラフルなファッション。淡々と売春という行為に走る主婦。街の雑音。ナレーションはウィスパーボイス。カメラ目線で語る心情。
そこで何を訴えているのか理解しようとせずに「無」で観た。
ただのドキュメンタリーを観る感覚で。
「彼女」=「パリ」
以前観た後にそう聞かされていただけに、見方が違ったことだけは確か。
でもまだまだ私は青い。生きている内にゴダールについて熱く語れる日が来るのかしら。。