『つかの間の愛人』 L’Amant d’un jour

私はフィリップ・ガレルの作品が好きなんですが、今回の『つかの間の愛人』 が、とにかくよかった…。
『ジェラシー』『パリ、恋人たちの影』と、“愛の三部作”としているらしいけど、
もうこれがずば抜けていい!!
今年の映画でも暫定的マイNo.1です!!

ルイ・マル『さよなら子供たち』、ロメール『満月の夜』、ゴダール『勝手に逃げろ/人生』等々、数々の美しい作品を手がけてきたレナート・ベルタが撮影なのです。
キラキラした景色を映すでもないし、モノクロだけれども、とにかく美しいのです。
エリーズ・ジラール『静かなふたり』も去年のマイベスト3に入るくらい好きだったけど、こちらもレナート・ベルタ撮影だった。

そばかすがかわいいアリアーヌ、今回が映画初出演らしいんだけど
憂いさと、ハッと見惚れるほどの美しさと、(憎めないけど)憎たらしさと、魅せてくれるのです。
時々ものすごくおばちゃんみたいな感じに見えるのもいい意味ですごいな、と。

そしてジャンヌとアリアーヌ、二人でいると猫みたい。
ため息出ちゃうくらいかわいい。


Copyright Guy Ferrandis – SBS Productions

そして字幕は寺尾次郎さん。。。(涙)

「私って丸ぽちゃ?」
って、鏡に裸体映しながらアリアーヌが放つセリフ。
「私たち理解しあってるわよね?」
父親くらい年の離れたジルに聞くセリフ。
言葉選びが、なんて素敵なんだろう。

寺尾さんの字幕で観る新作、あと何本残っているのだろう。

ところがですね、ガレルの真骨頂で、映像も字幕も美しくて
こんなにもこんなにも素晴らしい作品なのに
東京での上映はわずか2週間しかなくて、しかも一日一回だけで、今月いっぱいで終わってしまうのです…涙