Le Bal des Actrices 女優たちの宴

オンラインでフランス映画祭!!
MyFrenchFilmFestival、絶賛開催中です。

自宅パソコンの小さい画面で慎ましやかに鑑賞・・・なんだか寂しい。
ところどころストリーミング切れるし、日本語字幕にするとあまりにもこっぱずかしい直訳だし。
女性がいきなり男性口調になったり、また逆も然り。誤字も散見…
とブツブツ言ってても結局泣いたり笑ったり。
今のところ3日で短編含め6本。平日でこれなら、なかなかいいペースざんす。

気まぐれにレビューなど。

Le Bal des actrices(女優たちの宴)

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Synopsis : Une réalisatrice veut faire un documentaire sur les actrices, toutes les actrices : les populaires, les inconnues, les intellos, les comiques, les oubliées… Filmant tout, tout, tout, avec ou sans leur accord, la réalisatrice va se prendre au jeu et se laisser dévorer par ces femmes aussi fragiles que manipulatrices…

これが、MyFFFによって訳されると、こうなる。

女監督は全ての女優についてのドキュメンタリーを創りたい;庶民的、無名、複雑、コミック、忘却、、、な女優達を、彼女達が受け入れてもまた受け入れなくとも、とにかく全てを撮りたい。それはゲームのように始まり、そして徐々に熱くなってくる。弱そうで強い底力のある女優達に最終的には振り回されて…

???

ドキュメンタリー“風”コメディ。
似非のドキュメンタリーなんだけども、
役名はelle-mêmeで実名だし、台詞にあまりにもリアリティがありすぎて
お願いだからそんなこと言わないで…と現実と物語の境界線がわからなくなる。
『8人の女たち』のようにときどきミュージカル。
だけど二番煎じのようには全然思わなくて、迸る女優魂の競演、凄く斬新でドキドキした。
マイウェンの前作「Pardonnez-moi」はあまり好きになれなかったんだけど
これは超絶気に入った。最高のコメディ!

オープニングのダンスから釘付け~。
ジャンヌ、ワンピの肩紐切れましたがそのまま踊り続けてます。

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女優であることにプライドを持って生きている彼女たちも、女優である以前に、人間なのよね。
華々しく見える裏側に屈辱や苦悶の連続。
「女優のエゴ」という台詞が乱用されていたけど
結婚したら家庭にいてほしいという男性陣キャスト(イヴァン・アタル含め)の要望の方がよっぽどエゴだよ。
あんた女優と結婚したんだろ!?きー!
(ほらこうしてまんまとドキュメンタリーと錯覚してしまうんだよ、、、マイウェンの巧みな策略はお見事。)

皮肉めいたようにオドレイ・トトゥ、マリオン・コティヤール、セシル・ド・フランス等の(彼女たちよりも)若くてハリウッドでも活躍しているフランス人女優の名前を出してきているんだけど、憎悪とかそういうマイナスな印象は受けなかったんだよな。
むしろ同じ女優として尊重しているような。だからこそ笑えたのかも。
女の悪口ほど客観的に不快感を覚えるものはないからね。。。。

ジャンヌの演技力には相変わらず脱帽。
自身の過去の苦痛を語った後に、カメラ(マイウェン)に向かって「C’est la vie」と見せる笑顔は素のジャンヌ。
「C’est moi qui parle!!!」と狂ったような雄叫びからハスキーヴォイスで黒蝶のように踊り歌うお姿。うっとり。
マチュー&ジャンヌのお子様のお顔もちらりと映った。
オンライン上映のいいところは繰り返し観れることね。
何度も巻き戻しては止め、プチマチューを抱きしめたくなったり。

マリーナ・フォスがほうれい線に悩むエピソードからのー、道行くマダムの一言を聞いて開き直るってシーンに一番笑った。
(「カトリーヌ・ドヌーヴと同じもじゃもじゃ頭(!)」とか、おいしいとこ持っていきすぎ)
カリン・ヴィアールの電車の中での台詞はやたらリアリティ感じて笑えなかったのよねん。
ミュリエル・ロバンの歌での逆回し、ジュリー・ドパルデューの仮想妊娠、
シャーロット・ランプリングのデカダンス!
これだけの一流女優たちを集めておいてラストはどうなるかと期待が膨らみすぎたけど
しこりの残らない華麗なしめくくり。
あー、ホントこれ大スクリーンで観たかった。

キャスティングありきだからこの映画に一票はどうかと躊躇しておりましたが、鑑賞後はなんの迷いもなくポチッと投票。
MyFrenchFilmFestivalは29日まで。
あと16本、DVDやフランス映画祭で既観の作品もあるけど、睡眠時間を削って楽しみます☆