フランス映画祭2011『美しき棘』『パリ猫の生き方』『トムボーイ』

フランス映画祭2011開幕まであと2週間!!
ロマン君来ない?来ないよねー。ドタキャン王子、今年はドタアポ王子になってほしいところだよ、うん。

今年は試写会になかなかお伺いできず非常に残念。
映画祭について、メインはこちらのブログにて紹介していきます。

美しき棘 Belle épine
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©Shelby Duncan

脱ぐ。泣く。ときどき微笑む。
兎にも角にもレア・セドゥの表現力豊かな演技に圧倒させられる。

レアちゃんはクーリエ・ジャポンのブログによると
『害虫』の頃の宮崎あおいちゃんに似た雰囲気をまとい、さらにゴダールのミューズ、アンナ・カリーナを彷彿とさせる(ビジネス担当I談)、とても“映画的なひと”
思慮深く、触れたら壊れてしまいそうなほどの繊細な透明感と、尖って大胆な一面を併せ持つ女優。
今「感受性の高いお年頃」を演じさせたらNo.1なんじゃなかろうか。

レア・セドゥの魅力が弾けすぎて作品自体の評価が希薄になってしまいそうですが、いやはや長編デビュー作とは思えない程の完成度。(allocineの一般評価は星一つが42%ってとんでもないことになっているけど。)
’80年代のノスタルジー、決して煌びやかでないブルジョワとかけ離れた世界。
多感な年頃に家族を失い、混沌とした闇の中で生きる少女。口にするのは深い溜息。胸が痛くなるほど苦しい。
この世界観、受け付けない人は若干息苦しく感じられるのだろうけど。
監督の自伝的な作品なのか、と思ったけどレベッカさん、1980年生まれ!(年下~!!)

盗んだものを身に着けてきた彼女が、最後に身に着けたもの。
ドン底の暗闇から一縷の光が差したとき。オープニングとラストのコントラスト。
彼女の今後を想像し、グッときた。

美しいひと [DVD]

パリ猫の生き方 Une vie de chat
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「パリ」と「猫」!
一番好きな街と、地球上で一番好きな生物がタイトルに入ってるなんて!憎い邦題だよーホント。
舞台は“裏パリ”。だからこそふと映し出されるキラキライルミネーションに包まれたパリの街が余計眩しくて。
そんな大好きな街が舞台で猫が重要な役割を担いながらも、母親ジャンヌに感情移入できて泣けてしまうのがこの作品のすごいところ。ジャンヌと同世代だからかもしれないけど。憎しみと悲しみと、母親でありながら働くことの葛藤と…。これは是非現代を生きる女性に観ていただきたい。

ベルヴィル・ランデヴーの世界が好きな方、オススメです。

ベルヴィル・ランデブー [DVD]

トムボーイ Tomboy
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『水の中のつぼみ』のセリーヌ・シアマ監督(この方もまた1980年生まれ!!)の長編二作目。
前作が大好きな作品だったけど、「またビア~ンな話?」と高を括っていたら、いい意味で裏切られました。
10歳でももうちゃんとフランス人。自己主張だってする。恋だって覚える。だけど大人になりきれない微妙な年齢。
子供らしさやかわいさだけを売りにしていない演技力。
視線の先や、台詞が無い場面での表情も、ちゃんと演技してるの。これもシアマ監督の指導力なんだとしたら、圧巻。

シアマ監督がこれからどんな作品を作り出していくんだろう、と早くも次回作にも期待してしまう。
こんな良作が日本公開未定だなんて!!

水の中のつぼみ


ゲストが少なくても、朝日ホールでも、爆音映画祭と日程被ろうとも、フランス映画祭は、フランス映画祭。
こんなに素敵な作品に出合える一年に一回の大イベントですもの。
萌えて燃えて萌えて燃えるよ!完全燃焼まで、あと2週間。