9月5日公開!ミア・ハンセン=ラブ『EDEN/エデン』試写会へ

My Little Boxからご招待いただき、9月5日公開『EDEN/エデン』の試写会へ行きました。

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予告編

フランス映画祭で既に見てはいたんだけれども、“音楽”も立派なキャストだから絶対に映画館で見たかったんです。
ええ、完全にやられましたとも。
一回目よりもより全身で音を楽しむことができ、感動で震えました。
字幕監修は、フランスかぶれの大師匠(私が勝手に師として崇めてる)梶野彰一さんです。

フランス映画祭、スヴェン・ハンセン=ラヴとフェリックス・ド・ジヴリのQ&Aレポートはこちらから
フランス映画祭2015 フォトレポート『EDEN エデン』(Eden)

一部ネタバレもありますので、これから観るかたはなるべく追記の閲覧はご遠慮ください…



監督はミア・ハンセン=ラブ。
1981年生まれなんだけど、ミアちゃんよりも上の世代が懐かしむ時代の若者を描くのが、実にお上手。
もちろんミアちゃん自身の経験もあるだろうけれども…。
登場人物たちの繊細さや脆さ、大人(特に30代)になってから感じたことのないような絶妙な心の揺れが、手に取るように伝わってくる。
ふと「あの頃」にタイムトリップし、登場人物たちと自分を重ね合わせてしまっているの。

「あの頃」の自分たちと一緒にいた“音楽”たち。
もっともっと背伸びしたくて、ちょっと無理をして。
全力で恋をして。全身で音楽を感じていた頃。

「音楽さえあれば、僕等の楽園は永遠に続くと思っていた―」
という作品のキャッチのとおり、「あの頃」音楽があれば無敵だった。

フランス映画祭で来日してた時にスヴェンさんが言っていたのは、
「この作品は自分自身の人生について描いているのではなく、“音楽と90年代の若者たち”についての映画」。
作品内では第2部「LOST IN MUSIC」で2000年代も描かれているけれど、90年代と明らかに音楽の描かれ方が違ってた。
音楽自体は変わっていないし廃れてないのに、人々との音楽の接し方が違ってきていたり、「ウケる」音楽も変わってくる。
周囲の人々だけでなく、ポールと同じような人生を歩んできた人、もしかしたらポール自身も、「DJは“職業”でない」っていう思いになってきていて…それを見るのがつらかった。
そんなわけで、フレンチタッチがガンガンで、この手のジャンルが苦手な人やクラブ世代の人でないとちょっと2時間以上の鑑賞はつらい作品化もしれないけれど、「10代のボクが、大人になりきれないおっさんになるまで」を実に繊細に描いた作品でもあるので、たとえダフトパンクに乗り切れなくても、十分に共感できる点はあるはず。
(そうそう、ちなみダフトパンクのクラブ門前払いのシーンは実話だそう)

そしてこの作品、何気にキャストが豪華。
ルイーズ役は『東京フィアンセ』のポーリーヌ・エチエンヌ。
アメリカの人妻ジュリア役は『フランシス・ハ』のグレタ・ガーウィグ。
マルゴ役はジョニー・アリデイとナタリー・バイの娘、ローラ・スメット。
ヤスミン役には『彼女が消えた浜辺』のゴルシフテ・ファラハニ。
シリル役はTELEPHONEリシャール・コリンカとマリー・トラティニャンの息子、ロマン・コリンカ。
そしてぼくらのヴァンサン・マケーニュ(アルノー役)。

ルイーズがね、(顔だけ)ぽっちゃり、田舎臭さがかわいくて、クラブの中にいると、逆にすっごい目立つ。
金髪にしたり(似合ってたけど)いかにも背伸びしてる感が出てて、いい。
クラブミュージックとのアンバランス感。

ポールはDimitri From Paris、アルノーはCassius、ルイーズはx-girlのTシャツ…と、衣装まで音にかぶれてる。(いや、x-girlはアーティストTシャツじゃないところが実はポイントだったりするのかな)

フランス映画祭のあと、なおちゃんに「ポールが一番好きだった子は誰だろう?」って聞かれて、私はルイーズって答えました。
私なりの解釈で、ポールの恋愛遍歴をまとめてみました。

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(画・のん)

若い頃は年齢も社会的地位も“自分より上”のジュリアにぞっこんだったけど、あっけなく別れて、本気で好きではなかったけどつきあったルイーズ。
(生理になったとたん態度変わるの、サイテー(笑))
全身で音楽を感じて万事快調だったあの頃、“自分より下”だったはずのルイーズが、ポールと別れて幸せに暮らす姿を見たら…。
と、ポール自身の絶頂期に一番一緒にいた子が好きなんじゃないかな、今も実はやり直したいんじゃないかなって思い…。
これ誰かフランス映画祭のQ&Aで質問してくれればよかったのに。
と、こんな感じで音楽以外の部分も楽しめますよ♪

試写会の席、ドリンクホルダーにはレッドブルが置かれていました。
フランス公開した時のスポンサーだったんですって。
なんか納得。
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