2018年フランス映画初め。
去年見逃したオゾンの『婚約者の友人』がアップリンクで上映されていたので行ってきました。
(新年映画初めは今年もスターウォーズでした)
※ややネタバレ含みますので未見の方はスルーしてください
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1932年のエルンスト・ルビッチ監督作品『私の殺した男』にフランソワ・オゾン監督は着想を得たそう。
・・・と言うと、もうミステリーのネタバレそのものなんですが。
あとネタバレではないものの邦題もどうなんだろうか。
『彼は秘密の女ともだち』もどうかと思ったけども・・・
原題は「FRANTZ」で、謎に包まれていてとてもいいのに。
今回のオゾン、笑いは一切封印。
悲しみ・つらい現実を描く場面はモノクロ、生・喜び・希望を描く場面はカラー
というように切り分けているのでしょうか。映像もとても美しかった。
主演のパウラ・ベーアもピエール・ニネもとても美しかった。
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オゾンはこの作品で男女の恋愛関係というよりは、戦争の醜さを描きたかったのかな、という印象。
戦争は憎しみの感情しか生み出さない。
どんなに善人であっても、大切な家族・恋人・友人を奪う戦争に対し憎み嫌いの感情を抱いてしまうもの。
戦争が終わり、悲しみを乗り越えるための術はなんだろう。
ずっと憎み続けているよりも、赦しの感情を抱くことなのかな、とフランツの父親を見ていて思った。
彼は最初アドリアンを「フランス人」というだけで診察を拒否した。
ドイツの敵国であるフランスというだけで嫌厭していたのだけれども、
フランツの墓の前で涙を流していたこと、フランツの友人だということで
徐々にアドリアンにフランツを重ねるように見るようになる。
一番心に響いたシーンは、ホテル横のバーで、フランツの父親が仲間たちに放つセリフ。
「息子たちを戦場に送り込んだのは、我々大人たちだ」
「息子の死を肴にして酒を飲む」
というようなくだり。
『私の殺した男』にも同じようなセリフがあったような記憶があるので、オゾンはこの父親の言うことをとにかく訴えたかったのかな、と。
後半、アンナがフランスに渡ってからの展開はオゾンのオリジナルらしい。
期待していた展開とは違ったけども、希望の光が見えるラストでよかった。
突きとおすべき嘘もこの世には存在するのだな。。。と思った次第でございます。