映画『SAINT LAURENT/サンローラン』

先週ようやく見てきた、ベルトラン・ボネロ版の映画『SAINT LAURENT/サンローラン』。

ジャリル・レスペール監督版のほうは、ピエール・ベルジェはじめ
イヴサンローラン財団が全面的にバックアップしたとのことだけど

イヴ・サンローラン [DVD]

こちらはサンローランのスキャンダラスなシーンが大部分を占めているので
話を聞いた時点ではベルジェが怒っちゃったらしい。

厚い待遇を受けたレスペール版とは正反対の、ボネロ版。
ブランド公認と、非公認ってところでしょうか。
(ベルジェ氏、実際見てみたら大絶賛だったらしいですけど。)

ギャスパー・ウリエルがサンローラン、
ジェレミー・レニエがベルジェ…
と、これだけでも垂涎もののキャストなのに、

ジャック・ドゥ・バッシェル
(カール・ラガーフェルドとサンローランの愛人だった髭男爵)の役にルイ・ガレル
ルル・ドゥ・ラ・ファレーズ(サンローランのミューズ)の役にレア・セドゥ
89年頃のイヴ役にヘルムート・バーガー

…な、なんて豪華なのだ。

あとマチュー・アマルリックとヴァンサン・マケーニュ、
女優だとシャルロット・ゲンスブール、サラ・フォレスティエ、
リュディヴィーヌ・サニエあたりが出ていたら
もう脚本とか映像とかどうでもいいから、キャスティングだけで人生のマイベスト10に入れていたでしょう。
(あくまで個人的妄想です)

個人的にはキャスティングの時点で
見る前から既にレスペール版を超えているという由々しき事態でしたが…
「キャスティング抜きにして、ちゃんと“作品”を見よう!
と、自分に言い聞かせて席につきました。

結果、キャスティング抜きにしてもボネロ版のほうが断然おもしろい。

レスペール版はベルジェ氏の顔色を伺いながら作ってる感があったんですけど、
ボネロ版は、無許可(?っていうと語弊がある?)で作りだしただけあって、
皮肉も込めてておもしろい!
(イヴが「YVES SAINT LAURENT」ってドーンと書かれたTシャツ着て
モロッコでパジャマパーリーしてるのは笑った)
イヴが薬漬けで目がいっちゃってるシーンも多々あり…ほんとレスペール版とは大違い。
あんまり起伏はないけど、あっという間の2時間半でした。

え、ここでテデスキ姉さん出てきた!
え、まさかのヴァレリー・ドンゼッリ!?
豪華海鮮丼に、さらにウニとイクラをトッピング!みたいなサプライズゲストにもびっくりした。
ルルと並んでサンローランのミューズだったベティ役の
エイメリン・バラデちゃんもすごくよかったし、新しい収穫も得られて大満足。

YouTubeにアップされてる日本版予告編は期間限定公開だそうです。

お金かけてる感は、レスペール版にも負けない。