アラン・レネ追悼特集@アンスティチュ

先週土曜日、アンスティチュのアラン・レネ追悼特集に滑り込みセーフ!

今回は金曜日と土曜日の2日間だけっていう短期間での特集だったので
観れるか心配だったんですが…なんとか!

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観たのは
『あなたはまだ何も見ていない』(Vous n’avez encore rien vu)。

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去年初めて日本語字幕なしで観て
かなり興奮したままブログ記事書いたんだけど
(当時の記事は⇒ こちら
「エウリディケ」って神話が元で、今回は「ユリディス」って仏語発音になってた。)
今回は福崎裕子さまの素晴らしい同時通訳があったのですんなり入ってきました。

が…

上映後に廣瀬純氏(広島カープの選手じゃないっすよ、もちろん)による熱いレクチャーが。

1983年頃からのレネ作品は「モンタージュに抗する映像の運動」なのだそう。
もともと『ヒロシマ、モナムール』のエマニュエル・リヴァから、
レネ作品の登場人物には「malaise(居心地の悪さ)」があったと。
「誰か別の人物が自分に移り住んでいる」ような感覚があったと。

この『あなたはまだ何も見ていない』では
ピエール・アルディティもサビーヌ・アゼマもマチューも、登場人物は全員役名も「本人」のままなのに
演じているのはまったくの別人。そしてさらにユリディスやオルフェの魂が乗り移る。
映画のレクチャー受けると、「“不在”が主題になっている」というようなことをよく耳にするから
この作品もまたそのように「アントワーヌの“不在”」、
「登場人物自体の“不在”」を軸に置いているかとも思っていたけど
遥か別の次元で作られていたんだって知って愕然。

英題は『You ain’t seen nothin’ yet』って、仏語の直訳なんだけれども
昔のアメリカの映画『ジャズ・シンガー』で
「You ain’t seen nothin’ yet(お楽しみはこれからだ!)」って映画史上初めてのセリフがあり
「死してこそ尚」、って言いたいのかと思いきや、それもまた違うような。

考えれば考える程、「映画って奥深すぎ…」と知恵熱で魘される。

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でもこの知恵熱が心地よいのだ。

もっと勉強しなきゃ。はぁはぁ。

そうそう、 アラン・レネの遺作『Aimer, Boire et Chanter(愛して、飲んで、歌って)』の
日本公開が決まったそうです!