東京の上映は26日まで!!『ライク・サムワン・イン・ラブ』

何気に二回も見た『ライク・サムワン・イン・ラブ』(どんな作品になるかわかんないときに鑑賞券二枚買ってたからね)。
26日でユーロスペースでの公開が終了ってことで、忘れていたレビューをば。


http://www.likesomeoneinlove.jp/

どこからどう見ても横浜なところからいきなり六本木ABCに出現!
とか、いくら土地勘なくてもおかしな場面はあるけれど
アキコの実家がどこなのかはわからないけど、おばあちゃんがあまりにも標準語過ぎる
とか、他も台詞がむず痒いようなところはあるけれど
そんなんどうでもよくなった。
キアロスタミから見た日本でもなく、外国人から見た日本人でもなく、日本からみた日本でもない、単純な愛と複雑な嘘が絡み合う人間の日常の一コマを描いてるだけ。

お金目当てでなく、地元の友達に影響されてコールガールをしているアキコ。
ダメな男と付き合い、テストで基本的な問題が解けない劣等生。
社会学部の大学生だけど社会に関心も無く、日々なんとなく生きている。
家族と彼氏に言えない自分の状況、嘘が重なり心苦しくも、将来にこれといった目的もないから現状を打破出来ない。
どこにでもいそうだけどそうそういなくて、感情移入出来そうで出来なくて、憎たらしさと憎めなさが混合して。彼女の性格も考えもよく掴めないままにどんどん惹き込まれて行くこの不思議さ。

アキコだけでなく、わざわざタクシーで一時間以上もかかる家に彼女を呼んだタカシもよくわからない。
奥さんに似てる?てかどんな奥さん?奥さんどんな逃げ方?てか隣のおばさんホラー?

物語の始まりも終わりも唐突で、僅か一日にも満たない時間を描いているだけなのに、たった数人の登場人物の過去のドラマが脳内をグルグル巡る。
二回鑑賞して、二回とも会場に爆笑がおこった「そして人生はつづく」と言わんばかりのラストはホントに清々しかった!

そして人生はつづく [DVD]

唯一わかりやすいキャラだったのは加瀬君。
でも加瀬君はアウトレイジの行き過ぎたヤクザっぷりよりも、こっちの方がリアリティあって断然怖かったよ。

キアロさん、今度日本のトスカーナ(嘘っぱち)・新潟で撮ってくれないかなー。
ロケ地静岡うらやまし。

トスカーナの贋作 [DVD]

桜桃の味 [DVD]

友だちのうちはどこ? [DVD]

これはDVDより映画館で見た方が何百倍も面白い作品なんだけど、
「ムカデの初夜」の面白みがわかるまで、DVDみますよ、はいー。