三大映画祭週間2012、ようやく一本目。
フランソワ・オゾン監督『ムースの隠匿』(原題:Le refuge 避難所/隠れ家)を観てきました。
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ルイ(メルヴィル・プポー)がヤク中毒で死んでしまった。
彼の子供をお腹に宿ったムース(イザベル・カレ)はスペインに近い、海の見える街で隠遁生活をする。
そこにルイの弟・同性愛者のポール(ルイ=ロナン・ショワジー)がやってくる。
――という流れ。
ヤクは注射で体内へ!っていうもんだから、注射がとにかく苦手な私はプポリン登場シーンは殆ど目を瞑ってしまったのですよ…
ようやく目をカッと開いて集中したと思ったら、プポリンの死に顔という、、、
もー、オゾン君、プポリンを二度も死なすとは
ルイと同じくヘロイン中毒だったムース。
お葬式にレオパードコートにジーンズで登場するなんて、悪い冗談でしょ…
母体が薬物に侵された状態ということもあり、彼の母親に中絶を促されるも、亡くなった彼との唯一の繋がりということもあり、産む覚悟を決める。
「彼が死んだのに、自分は生きている」と、彼の死と自身の存在を受け入れられないまま、お腹の子がこの世に産声をあげるその時をただ待っているムース。
“子供を産むことがゴール”―そう思っているのか、お腹の子供に話しかけるのを拒否する。
そもそも産まれて来る子供がどうなろうとも構わないんだろう、薬物中毒の母体で鎮痛剤も大量に摂取し、アルコールまで飲んでいるのだから。
彼の形見を受け取ることを拒否したムース、亡くなった彼と自分を繋ぐ唯一のツールとしか考えていないのかもしれない。
女として、共感し難いムースの言動は見ていてつらかった。
だけどこれはオゾン君の視線。
子孫を残したい心境と、それが出来ない現実との葛藤もあるのでしょうか、
それをポールの役を置くことにより、オゾン君が思う母性愛を表しているのでしょう。
ポールの境遇を知ったムース、出産後の彼女の決断には、酷だとは思う反面、これが彼女なりの愛情表現だとして受け止めることができました。
イザベルの大きいお腹は、実際に彼女が妊娠中に撮ったから。
安定期に入っているとは言え、ムースを演じるには抵抗があっただろうなあ…
イザベルの女優魂を感じました。
額の皺は気になったものの、北欧系美人のイザベル、相変わらず年齢不詳で…(現在41才!)
彼女の出演作の中で(日本未公開作品まで全部見ているわけではないけど)一番好きかも。
そしてオゾン君、コメディ路線よりも、シリアス系の方が個人的にはやっぱり好きだなー。
ポール役のルイ=ロナン・ショワジー(Louis-Ronan Choisy)が、もうどうしようもなく好みのイケメンですっかり釘付け。
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ラストシーンではプポリン並みの丸刈りで登場。
撮影中の一コマ(allocineより拝借)、このオゾン君の熱視線!
あー、オゾン君と私、男の好みが合うわねー
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最初の登場シーンでは一瞬、バンジャマン・ビオレかと思った。
掘りの深さといい、切れ長の目といい…
ルイ君、自然な演技でとてもよかったけど、本業は歌手。
「Louis」というアーティスト名。ソフトな低音で(これまたバンジャマンにそっくり!?)、声も歌い方もまた好み。
↑ヴィルジニー・ルドワイヤンとのデュエット曲も収録されています。
↓この映画のサントラ。作中でピアノ弾き語りのシーンもありますが
エンドロールで流れる『Le Refuge』ではイザベル・カレとデュエットも。
イザベルの声も大好き。相性ピッタリですねー
ヌーヴェル・ヴァーグ(アーティストの方ね)のアルバム『Couleurs sur Paris』にも参加してるみたい。
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アーティストとしてはもちろん、今後のルイ君の演技にも期待
(多分オゾン君、使ってくれるだろーし)
あ、あら…映画の感想書く予定だったのに、すっかりルイ君の記事になってるね…