フランス映画祭2011上映作品『消えたシモン・ヴェルネール』を一足お先に鑑賞いたしました。
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舞台は1992年、パリ郊外の小さな街。パーティーに集まっていた若者たちが、茂みの中に死体が横たわっているのを発見する。その2週間前、シモン・ヴェルネールという名の高校生が失踪。教室からは血痕が発見され、捜査が開始されるが、それから数日もたたないうちに同じクラスの女生徒レティシアが失踪。シモンとレティシアの間には特別の関係はなく、彼女の両親にも心当たりがない。そしてその翌日、また別の生徒ジャン=バティスト(ラビエ)が消息を絶つ。果たして、事件の真相は……?
サントラはソニック・ユース!
イントロの爆音パーティ会場や「バンドは解散した」という会話からも、サントラメインで、音が主張しすぎてて鑑賞後の頭は音楽しか残らないんじゃないか、なんて余計な心配をしてしまいましたが、いやいや、重要な脇役的存在で見事に調和されていました。
いきなり事件発覚、それから二週間前に遡り、それぞれの登場人物の視点から事件の真相を描く。
混乱しそうな構成だけども、登場人物各人の個性が明確にされ、点と点がくっきりと線になっていくようでわかりやすい。ただその分、サスペンスのハラハラドキドキはちょっと少なめに感じてしまうんですが、それをBGMが巧く演出してるように思えました。
しっかし、バカロレアを目の前にして、何で異性とやることしか考えてないんですかねえ!と、生徒側というよりはPTA側の視点で観てしまったのですが、舞台はパリ郊外。
街中にエンターテインメントが溢れているわけでもない。聞こえてくるのは鳥のさえずり。パリとパリ郊外じゃ全然違うんだもの。家族や社会への反抗心が強い一番多感なお年頃、パリ郊外で過ごす慢性的な毎日。そりゃ考えることはそうなっちゃいますよねえ。
’92年なので、衣装や小道具が見てて恥ずかしいほどダサい。でも’74年生まれの監督作品、同年代で地方出身の人はノスタルジーを感じてしまうんではないでしょうか。自分の過去を重ね共感し、より登場人物に感情を移入できれば、よりサスペンス要素を楽しめたのかもしれません。
撮影はアニエス・ゴダール!!
ドゥミ作品でフランス愛を育ててきた者にとっては、胸キュンなカメラワークが多々あり。
アリスが一粒の涙を流すシーンがあるのですが、その美しさと言ったら!
そのアリスを演じるのは、イポリット・ジラルドの娘、アナ・ジラルド。
どことなくお父さんに似ているのですが、カーラ・ブルーニ系統のべっぴんさん。
やわらかそうな髪の毛をなびかせ、長く細い美脚で颯爽と歩く御姿。
こんな子がクラスに一人いたら、それはもう男子は勉強どころじゃないですよねー
『消えたシモン・ヴェルネール(Simon Werner a disparu…)』は26日(日)14:30 有楽町朝日ホールにて上映。
主演のジュール・ペリシエ君(ギョロ目)もゲストで来日しますよ~。