ゲンスブールと女たち Gainsbourg vie héroïque

遂に今春日本公開!!
没後20年・セルジュ・ゲンスブール伝記映画『ゲンスブールと女たち』(原題:Gainsbourg vie héroïque)。試写会にお邪魔してきました。

試写状はレティシア・カスタ(バルドー役)とセルジュ。
美脚…

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“ユダヤ人で醜男”というコンプレックスを抱えながら、数多の美女たちを虜にした伊達男。
1991年、62歳で急逝した芸術家、セルジュ・ゲンスブール。

酒とタバコ、音楽と自由をこよなく愛し、作詞家・作曲家・歌手・映画監督・俳優・画家とマルチな才能をもちながらも、反体制的で強烈な作風で常にセンセーションを巻き起こし、今なお世界中のアーティストたちに影響を与え続ける偉大なカリスマ。
そして、フランス・ギャル、ブリジット・バルドー、ジュリエット・グレコ、ジェーン・バーキン、ヴァネッサ・パラディなどの才能を開花させ、ハンサムとは言えない風貌ながらも独特のダンディズムで数々の女性たちに愛されたフランスきっての伊達男。

その破天荒でセンセーショナルな生涯、そして今なお色褪せることのない伝説が、数々のシャンソン、ジャズ、フレンチ・ポップに彩られスクリーンに甦る――。

バンドデシネ作家ジョアン・スファール初監督作品。


フランス公開時に、パリへ飛んだ。
日本にはセルジュの熱狂的なファンがたくさんいるし、いずれ公開されるだろうとは思っていたけど、どうしても、彼が生きたパリで観たかったから。

ジョアン・スファールはゲンスブールマニアの一人。
ゲンスブールに憧れ、大きな夢を抱いて彼の住むパリへ移り住んだ。
ジョアンがパリへ引っ越してきた一ヵ月後に、セルジュは永遠の眠りについてしまった―

波乱万丈で稀有なセルジュの人生を語るのに、二時間と言う尺は短すぎる。
初監督作品というだけあって、ド素人の自分から見ても荒削りに感じる部分もある。
「ものまねそっくりさん大集合」的に思われるだろうし
BD作家ならではの作りにも疑問を抱かざるを得ない。
だけど、誰が作っても納得いかない部分もあるだろうし、あれだけの人生を完璧に描くなんて到底不可能だもの。
ファンとしては嬉しいの。

「僕は自分の肩にどれだけの重荷を背負ってしまったのか気づいている。
だが、僕は重過ぎる荷物を運ぶのが好きだ」

幼少時代からバンブーまでを描いているので、盛りだくさん。
ラ・マルセイエーズのエピソードも勿論あり。
フランス・ギャルを演じるサラ・フォレスティエの『Baby Pop』、ぎこちない弾けっぷりに
ジュリエット・グレコ役アナ・ムグラリスの貫禄とハスキー・ボイス、
見た目の丸さが若干心配なカトリーヌがボリス・ヴィアン『Je Bois』…
似ている似ていないなんて、もうこの際関係ない。
ゲンスブール・ナンバー(本物の声じゃないけど)がスクリーンを通して爆音で聴けることが本当に、本当に嬉しいんだ!
自殺したルーシー・ゴードンはジェーン・バーキン役。
当のバーキン様はこの映画を観ないとか…
そして昨年亡くなったクロード・シャブロルも出演。
あのギョロッとした目がスクリーンいっぱいに映し出されると、今はもう涙が出そうだったけど
でもここは目一杯笑うところだよ、ってシャブロルからのメッセージが聞えてくるようだった。

公開まであとわずか。
永遠に続くゲンスブール伝説が、日本中で流布される喜び!
ゲンスブールを好きになるきっかけが本作だ、って若者も出てくるかもしれない。
そういう意味で彼のことを知らない人がどういう評価をするのかも楽しみ。


先月発売されたセルジュ・ゲンスブール写真集 馬鹿者のためのレクイエムが素晴らしい。
これぞセルジュのマニュアル本。

セルジュ・ゲンスブール写真集 馬鹿者のためのレクイエム (P‐Vine BOOKs)

セルジュ・ゲンスブール 1970-1989 [DVD]