モーリス・ユトリロ展 パリを愛した孤独な画家

ゆとり世代、ゆとり世代・・・
と、なんだか最近「ゆとり」という言葉をよく耳にするので
ユトリロ展に行ってみました。

そんな理由は嘘で・・・

街並み、教会、寺院、、、
芸術・美術の分野には滅法弱いのですが、
大好きな街・パリの風景を描くユトリロが大好きなのです。

生粋のパリ好きでアルコール依存症のユトリロ。
自分との共通項があると、作品にも親近感沸くからなのでしょうか。

新宿のビル街の中でも一番大好きなこのビルに
損保ジャパン東郷青児美術館はあります。

ポスターになっている「カルボネルの家、トゥルネル河岸」も拝めます。

42階にあるこの美術館。
入り口からの眺めは最高です。

★館内撮影禁止のため、感想のみ★

今回の展示は、90点全てが日本初公開。

ラパン・アジルの絵がいっぱい!!!
大好きな「白の時代」の作品もたくさんあった。

Maurice Utrillo V.って署名が必ずあるけれど
「V.」って、母親シュザンヌ・ヴァラドンの姓・ヴァラドンのことなのね。

・・・と、彼の人生を改めて見ていくと、とても悲しくなってきた。

父親が誰なのか不明の彼、
21歳でアルコール依存症のため入院。
(8歳頃から飲酒、10代で既にアル中だったとか・・・)
医師から治療のために絵画を薦められます。

母親は、モーリスよりも3歳下のオトコと結婚するわ、
モーリスを鉄格子を張り巡らせた部屋に閉じ込めるわ、
とにかくモーリスに絵を描かせて旦那との生活費をすべて稼がせるわ、
で、ものすごい女だったわけですよ。

若い頃から部屋の中に閉じ込められ
自由を全て奪われてしまった彼にとって、
「聖女」「英雄」と呼ばれるジャンヌ・ダルクが憧れの存在だったのだとか。

絵葉書を見ながら絵を描き続けるモーリス。
窓から「助けて」と書いた石を外に投げていたのだとか。
うわーん、もうなんだか鑑賞するのが切なくなってきたよ!!

モーリスは51歳でリュシーという女性と結婚しますが
画商との取引はすべてリュシーが仕切っていたので
やはりここでもリュシーの金稼ぎのためだけにモーリスは絵を描かされるのです。
リュシーは自分の稚拙な絵までも一緒に売っていたと言うから、
なんともまあ女運に恵まれていなかったと言うか、なんというか。

晴天ではなく、
ブルーグレーの空のパリを私が好むのは
ユトリロの絵の影響が大きいのです。

「よし、明日からまた頑張ろう」
って勇気付けられるわけではないけれど
孤独を愛し、孤高を持す自分にとって(自分で言うなって・・・)
彼の静寂な絵を眺めると、とても心が落ち着きます。


モーリス・ユトリロ展 パリを愛した孤独な画家

会   期 2010年4月17日(土)~7月4日(日)
月曜定休 ただし5月3日は開館
会   場 損保ジャパン東郷青児美術館
〒160-8338新宿区西新宿1-26-1損保ジャパン本社ビル42階
開館時間 午前10時から午後6時まで、金曜日は午後8時まで
*入場は閉館の30分前まで
料   金 一般1000(800)円
大学・高校生600(500)円
シルバー〈65歳以上〉800円
中学生以下無料
※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金

どういうわけかゴッホの「ひまわり」、セザンヌ、ゴーギャンの作品もガラス越しに拝めた。
常設展示なの??
なんとも豪華な展示会、7月4日まで開催しているので、あともう1回は行きたいな。