今年もこのシーズンがやってきました。
フランス映画2010の試写。
初日は朝から気合入れて3本観ることができました。
やほーい。
取り急ぎの備忘録。
『オーケストラ!』
監督:ラデュ・ミへイレアニュ 出演:アレクセイ・グシュコブ、メラニー・ロラン、フランソワ・ベルレアン
GW Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座他にて全国順次ロードショー 配給:ギャガ
フランスで公開日が決まってから、ずっと観たかった本作(原題は『Le Concert』)。
(当時の記事)
だってメラニー・ロランちゃん、大好きなんだもの!
コメディ要素が多く、ストーリーはわかりやすくて大衆向け。
“パリで「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」を越えオープニング№1を記録した大ヒット作!”
っていうように、11月にパリ旅行した際はどこもかしこも賑わってました。
フランス映画だけれども、6割以上?ロシア語。
だけど不覚にも号泣してしまった。
予告編でミュウミュウがアイメイクを凄まじい状態で落としながらなくシーンがあったんだけど
それに劣らず泣いた。笑って泣けるヒューマンドラマ。
『あの夏の子供たち』
監督:ミア・ハンセン=ラブ 出演:キアラ・ガゼッリ、ルイ=ドー・ド・ランクザン、アリス・ド・ランクザン
初夏、恵比寿ガーデンシネマにて 配給クレストインターナショナル
原題は「Le Père de mes enfants」(私の子供たちの、父親)というのに対して、
「父」という語をまあ潔く省いてしまった邦題、わからんでもない。
子供たちがまあ、かわいいのなんのって。
「合言葉は“焼きニンジン”よ」
なんて電話越しに言われて御覧なさいよ、もう絶対自分の手元において嫁に行かせないから!
前半部分の主役は、ワーカホリックだけれども家族思いの父親だった。
週末は必ず家族全員で過ごす、とても微笑ましい“絵に描いたような”家族だ。
自殺という形で、父親は姿を消す。
後半からは母娘を中心に、残された人にフォーカスがあたる。
実話を元にしたというこの作品、いや、切なかった。
オリヴィエ・アサイヤスのパートナーであるミア・ハンセン=ラブ。
女優としてしか彼女を知らなかったので、
ここまで繊細でピュアな作品をつくれる監督だとは、衝撃的だった。
しかも1981年生まれときた。おおおお・・・
映画監督を志す彼に、長女クレマンスが残すメモ
「ハッピーエンドの作品を作って!」
・・・その言葉どおりなら、本作はハッピーエンドと捉えられるのかな・・・
あと、『Gainsbourg vie héroïque』でセルジュ・ゲンズブールを演じるエリック・エルモスニーノが、本作でもセルジュって役名だった。
『シスター・スマイル』
監督:ステイン・コニンクス 出演:セシル・ド・フランス、サンドリーヌ・ブランク、クリス・ロメ
2010年 初夏 シネスイッチ銀座にてロードショー 配給セテラ・インターナショナル
ペギー葉山、ザ・ピーナッツがカバーして日本でも大ヒットを記録した名曲「ドミニク」を歌ったシスターの、知られざる人生を描いた物語。
Dominique-nique-nique s’en allait tout simplement,
Routier pauvre et chantant.
En tous chemins, en tous lieux, il ne parl’que du Bon Dieu,
Il ne parl’que du Bon Dieu.
歌は聴いたことあるくらい、こんな人生送ってたなんてまったく、
いや本当にまったく知らなかった!
Wikipedia:スール・スーリール
こんな最期でしたけど、ラストシーンがとてもキレイでした。
セシル・ド・フランスちゃんがまたハマり過ぎてて。
実際に劇中で歌っているんだけど、いやこれまたお上手。
レズビアン・アニー役のサンドリーヌ・ブランク、
怖い!!!って、この女誰だ?って思ったら、『トト・ザ・ヒーロー』のあの子か!!!
うーん・・・
ザ・ピーナッツ版。
これ、本人?ディスコバージョンて・・・
映画「オーケストラ!」ラストまでちょっと我慢、素晴らしい瞬間を待て。
「あの夏の子供たち」★★★
キアラ・カゼッリ、ルイ=ドー・ド・ランクザン、アリス・ド・ランクザン出演
ミア・ハンセン=ラブ監督、96分 、2010年7月10日公開、2009,フランス,クレストインターナショナル
(原題:Le Pere de mes enfants )
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「前半とても幸せな家族の何気ない日常を描き、
中盤で父親が事業の失敗で自殺したことで
かつての陽だまりのような、
かけがえのない幸せが、いかに大切だったのか、
残された家族のその後を描き、
じわじわと見ているこちらも喪失感が伝わった。」
映画の商業的な成功よりも
良い作品を作ることに重点を置くあまり、
不況と重なって多額の借金を残したまま
映画プロデューサーの父親が自殺をしてしまう、
その直前まで家族には危機的状況を知らせず
妻も子供も父の不在の世界で戸惑う。
で、そこから家族はゆっくりと
「再生」していくのだろうけど、
その端緒についたところで映画は終わる、
何だろう、この感じ、
2009年カンヌ国際映画祭《ある視点部門》
審査員特別賞に輝いた本作、
他に見るべき競合作品が無かったのかな。
もうひとつピンとこなかった、
胸に迫るようなエピソードもなく
映画全体としてはテレビドラマでも
ちょっと地味過ぎなテーマで
家族の反応も予想の範囲内、
どこか目新しい何かを求めても得られない、
ただし人間の感情なんて
デジタルの時代だろうと、そう変わらないと言うことか。
自分の父親が10歳前後の年頃で自殺するって
ハードなことだと思う、
自分が父親の年を迎えるのが怖くなったり
容易く自殺と言うどうしようもない解決を
ひとつの選択肢として自覚してしまうだろう、
やはり人間は逃げずに
とことん正面切ってぶつかっていくしかないのだ。
この作品は「フランスシネマ・フェスティバル2010」の1本、
今後この作品を含め短期間に8本が公開される、
何本見られるか分からないが
劇場に行くのが楽しみだ。
★100点満点で60点★
soramove
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家族の子供…
「オーケストラ!」★★★★
アレクセイ・グシュコブ、メラニー・ロラン、フランソワ・ベルレアン出演
ラデュ・ミヘイレアニュ監督、124分、2010年4月17日、2009,フランス,ギャガ
(原題:LE CONCERT )
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「かつて天才指揮者と呼ばれたアンドレは、
今は劇場清掃員をしている、
当局に抵抗したため、指揮棒を折られ没落したのだ、
そんな彼がかつての仲間と一発逆転の賭けに出た、
ラストの演奏シーンは胸に迫る迫力、
素晴らしい!」
30年も実際の演奏から離れていて、
こんなこと可能なのか、
演奏家は常に厳しい練習を要求されているはず、
だからどうしてもパリでの演奏が
現実的に思えなかった。
ラストの演奏シーンまでは
ドタバタあり、笑いあり
そのどれもが洗練さの見えない
粗い手触りの映画と映ったが、
その全てがラストの演奏で帳消しになり
そして余りある感動をくれた。
バラバラの演奏に首をかしげる聴衆、
ソリスト、そして当の楽団員までも、
でもソリストの素晴らしい演奏に引っ張られるように
全体が一つにまとまっていく、
こんなのあり得ないだろと思いつつも
自分も会場でこの素晴らしい演奏を聴いているように感じ、
その感動が胸に迫る。
自分はクラッシックは全く聞かない、
だから細かいテクニックは全くの無知だ、
でも感じることは出来る、
そしてそれぞれの人生を振り返る映像が挿入され
ムリなく感情移入できる作りになっている、
好きな事を止めなくてよかったね、
でもそれは並大抵のことじゃない。
都合良すぎる展開だけど、
素晴らしいラストの演奏に出会えたことだけで
この映画を見る価値があった、
好きな事を出来る素直な喜び、
それは誰にでも分かることだから
夢を夢で終わらせないという
まさに夢のような時間が嬉しかった。
★100点満点で80点★
soramove
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ロシアという国をちょっと悪く描きすぎてる感じはあったが、
ロシアという国をもっと知りたいとも思った。
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