サガン、シャネル、ピアフ、ゲンズブール・・・
と伝記映画が目立つ今日この頃。
なんとアニエス・ヴァルダ、自分で自分の人生を振り返るドキュメンタリー映画を作っちゃったよ!!
フランスでは25万人動員の大ヒット映画
『アニエスの浜辺』
(C) 2008 CINE TAMARIS – ARTE FRANCE CINEMA
INTRODUCTION
『幸福』『冬の旅』など仏女流監督のパイオニア的存在であるアニエス・ヴァルダが、自身の生涯をユーモアも交えて映す自伝ドキュメンタリー。生まれ故郷ベルギーの浜辺を起点に自身の生い立ちや経歴を振り返り、映画界に進出してジャック・ドゥミの伴侶となったことやその暮しをオープンに綴る。ヴェネチア映画祭の上映時には注目を集めた。
HISTOIRE
アニエスの心の風景には、いつも浜辺や海があった。ベルギーのパンネ浜辺に始まり、夫ジャック・ドゥミとともに渡ったアメリカ西海岸など。革新的な映像を生み出すアーティストの心の内とは……。
日仏学院での先行上映会に行ってきました。
キュートでポップ!
ああ、なんて愛に溢れた映画なんだろう!
・・・月並みの言葉で申し訳ない。
作中、「パズル」というのがキーワードのように思えたんだけれども、
アニエスの思い出のパズル・一片一片が
浜辺の白い砂浜のようにキラキラ輝いて見えた。
しょっぱなの鏡だらけの砂浜から始まり
ボーダーの水着で造花を砂に植えたり
昔の写真を砂に差したり
じゃがいものコスプレしたり・・・
シェルブールの雨傘店そのもののインテリアも
モンパルナス墓地近くの浜辺オフィスも
女の子の「かわいい」の頂点を極めてる、ピュアの塊。
そして何よりも亡き夫・偉大な映画監督・ジャック・ドュミへの愛に満ち溢れていた。
昨日のトークショーで黒澤清監督も仰っていたのだけれども
ヴァルダってもっと男っぽい作風だったはず。
自分のことになるとこんなにもキュートレベルがアップするものなのか。
だけどただの自己満足映画にあらず。
夫への愛もそうだけれど、
「周りの人を撮る」彼女は、
周囲のすべての人に愛を降り注ぐ。
彼女をとりまく人たちの
幸せそうな表情といったら、ああ、もう!!
(なぜか自分が照れる)
ドヌーヴ様、ジェーン・バーキン様など大物女優を大スクリーンで拝んで
アラン・レネ、ゴダール、ジム・モリソンにハリソン・フォード!?
凄まじい豪華絢爛なヴァルダの交遊録!!
なによりもジャック・ドゥミの作品もたくさん観れたので大興奮!!
そして…
家族への愛。
あああ
泣けたっす。えーマジ泣けたっす。
フランス狂・猫沢エミさんが
「世界で一番好きな監督」と豪語するヴァルダ。
81歳になっても現役少女である彼女の新たな一面を見れる、お得な一本。
『アニエスの浜辺』は、
10月10日より岩波ホール他にて公開。
おお、私の結婚記念日やないかーい
トークショーでの小泉今日子様への質問で
「好きな映画は?」ってあったのですが
トリュフォーの『黒衣の花嫁』ですって!
しかも小5のときに観たとか。
うっへー
尊敬!すげーシネフィルじゃねえか!