天使の肌 Peau d’ange

ギヨーム・ドパルデュー追悼記念として観た一本。
ブログに書くの忘れてた。



HISTOIRE
田舎の町で住み込みの家政婦として働く若い娘、アンジェル(モルガン・モレ)。ある日彼女は偶然、母の葬儀のために帰郷した青年グレゴワール(ギヨーム・ドパルデュー)と知り合い、一夜を共に。アンジェルにとって彼は初めての男性で、愛を感じる存在になるが、グルゴワールには単なる旅先のできごとに過ぎない。翌日、別れた2人は別の人生を歩み始めるが、ある事件がきっかけで2人は再会することになる。

モルガン・モレって、この作品でしか観たことないんだけれども…

でもギヨームにも
「あんな瞳の子は初めて見た」
「思わず引き込まれそうになる」
と言わせてしまう、その眼力。

そして演技ではないナチュラルな雰囲気。
日本で言うと蒼井優ちゃん?

冒頭では本当にただの田舎娘。
でもグレゴワールと一夜を共にしてから…
ゾクッとする程キレイな女と化している。

グレゴワールが寝ている姿を椅子に座って見つめる姿なんて、
妖艶ささえ感じられてしまうのだ。

アンジェルは、その名の通り天使であって、
神ではない。

「神が存在するなら なぜ不幸は起こるの?」

無垢なアンジェルは“人々の痛みを軽減”していった。

『シラノ・ド・ベルジュラック 』『王妃マルゴ』で知られるイケメン俳優ヴァンサン・ペレーズが、妻のカリーヌ・シラとの共同脚本で作り上げた本作。
目を背けたくなる程の不幸な出来事が次々と起こるのだけれども、ペレーズはそれを映像にしていない。

家族がアンジェルを働きに出す場面も、グレゴワールの母親の死も、フェーヴル氏が妻を殺害してしまった場面も、そしてアンジェルがこの世を去ってしまう場面も。

すべて観る者の想像に委ねてしまうのだけども、あえてそこを伏せることによって、本作のおとぎ話的な要素をグッと強めているのだろうな。

大の大人であるグレゴワールが涙を幾度となく流す。
少女のアンジェルは涙を見せない。

ストーリー自体は暗く、切ない。
でも観賞後は、魔法にかけられたように宙に浮いた不思議な幸福感を覚えるのです。

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