フランス映画ところどころ 2020年3月

先週から在宅勤務が始まりましたが、オンオフの切り替えができなくて、通勤してるよりも仕事してるし、全然フランス語の勉強できてない…(涙)

勉強がてらつけてたフランスのニュースもCOVID-19一色だし、今日からフランスに渡航禁止&フランス国民は外出禁止、というなんとも悲しいことばかりが続きます。

もうコロナに関する単語はいっぱい覚えたからお腹いっぱいなので、映画を観ることにしました。


レ・ミゼラブル Les Misérables

想像していたよりもずっとずっと重かった。
イントロで、2018年ワールドカップ優勝後のシャンゼリゼ大通り(↑ポスターにある絵)が映し出されたのはワクワクしたのだけれど…

観光客としては知ることのできない、パリ郊外の闇。
ドキュメンタリー的な撮り方が余計にリアルに思えたんだろうけど、
バルベスに滞在したときに感じたものとはまた違って、
息ができないくらいに張り詰めた緊張感と、テロの時に覚えたような恐怖感とないまぜになって…

「ラスト30分の衝撃!」と謳っているのだけども、その30分がとてもつらかった。
私はフランス好きだけど、なんとなく自分のどこかで”これは別の国のできごと”みたいな感覚はあるんだと思う。
つらいけど、これも私の好きな国の現実。目を背けずに、もっと知る必要があると感じました。

なんでもかんでも「パリの」って邦題につければいいってもんじゃねえぞ、
風船持ってエッフェル塔の前で自撮り写真撮ってんじゃないよ、
とか・・・

(私も含め)美しいパリしか見れていない人には是非この作品観て「がーん」と衝撃受けてほしい。


バンリューの兄弟 Banlieusards

Netflixにてフランス語字幕で鑑賞。

これは『レ・ミゼラブル』観た後だとだいぶ「作り物」感があったな。
画質もカラオケの画面みたいな感じで粗いところあったし、バンリューの闇を描くのかと思いきや小ぎれいな部分もあったし。

ラストは好きだったけど、その前の長回しセリフのシーンがちょっと冗長だった気がします。
とはいえこれは劇場公開は難しかったと思うので、観れてよかった。
マチュー・カソヴィッツがちょっと出てました。


ジョナス Jonas

こちらもNetflixにてフランス語字幕で鑑賞。

LGBTQ映画・・・ぽい青春ムービーみたいな展開なのにラストがとても衝撃的で、面白かった!

過去と現在が交互に変わって、過去はとっても美青年なのになんで現在こうなった!?と疑問持ちながら観てたけど、オチにつながるような気もするのでキャスティングは間違ってないと思う。


修道女 La Religieuse

フランス語のクラスメイトからU-NEXTのフランス映画ラインナップがすごい!と聞いて速攻ダウンロード。
確かにすごい!!アラン・ロブ=グリエの作品も揃ってるのとか結構ツボ。
フランス語字幕で観られない以外は、ほんとすごい。

アンナ・カリーナの『修道女』もあったので早速!

ジャック・リヴェット監督作品なんですが、公開当時はかなりスキャンダラスで「反宗教的」という理由で上映禁止処分を受けたらしいです。

美しいアンナが虐められる様を観るのはつらいのだけども、これがiPhoneの画面で観られる時代がきたことはなかなかの衝撃。


3つの心 あのときもしも 3 coeurs

こちらもU-NEXTにて。
シャルロット・ゲンスブールと、カトリーヌ・ドヌーヴ&キアラ・マストロヤンニ母娘が共演。ブノワ・ジャコ監督。

ドヌーヴとシャルロットが母娘っていう設定以外はおもしろいと思って観ていたんだけど、なんかいちいち長く感じたな…
ドヌーヴさんは最近ずっとこんな母親役じゃないかな。
キャスト豪華なだけに、全体的に勿体無い。


ボン・ボヤージュ〜家族旅行は大暴走〜 À fond

もうコロナ疲れを吹っ飛ばす作品を…と思って、こちらもU-NEXTにて。
公開当時「カタカナ表記が違うだろう」とスルーしてたんでした。

アンドレ・デュソリエも出てるなら、もっと早く見ればよかった。


意外とお金かかってるし、おもしろいっちゃおもしろいんだけど心臓に悪いわこれ(笑)
何も考えずに観るには、ちょうどよかったかも。


ローラ Lola

恵比寿ガーデンシネマの特集上映『ミシェル・ルグランとヌーヴェルヴァーグの監督たち』にて。

久しぶりに観ましたが、面白かった。面白いというのは「滑稽」な意味で。

Roland Cassard役のマーク・ミシェルは『シェルブールの雨傘』でも同名の役で「幸せでない結婚」して報われないし
「ソーリーってなによ!」とか叫ぶ少女とか
ミシェルが「母さん!ぼくは金持ちになったよー!」とか叫ぶのとか
あれ、こんなにツッコミどころ満載な映画だったっけな…

それにしてもパサージュ・ポムレーをスクリーンで拝めるのは幸せだった。
↓4年前の記事はこちら


なんか映画観ただけでフランス語勉強した気になってる・・・危険。
試験まであと80日、もっと本腰入れないとなのになー(焦)