『マリアンヌ』Alliés

ロバート・ゼメキス監督の作品は何気にほとんど全部見ている(テレビで)。
フォレストガンプもバックトゥザフューチャーシリーズもアホみたいにいっぱい見た(テレビで)。

ゼメキス監督の新作『マリアンヌ』。

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最近の『フライト』『ザ・ウォーク』辺りが個人的に苦手だったから、監督名とブラピ主演ってだけでは今回は観ていなかったかもしれない。
マリオン・コティヤールが出演しているっていう理由だけで、俄然映画館へ足を運ぶ気になるから不思議です。

あとこの作品、「ブラピがアンジーとお別れした原因」のひとつとも言われているらしいです。
もともとマリコ様は大好きだけども、隠れゴシップネタ好きとしてはお別れしなければいけないくらいマリコ様が魅力的なのか、とその真意も気になるところ。

そんな下世話で中途半端な気持ちからの鑑賞でございました。
予告編で大まかなあらすじは既に世に出回っているので、最後のネタバレだけは避けてレビュー書きたいと思います。


泣いたー!

早くも今年のマイベスト5に入ること間違いなしの作品でした。
ブラピのやたら低音フランス語(あれは吹き替え?)のクオリティはさておき、マリコとブラピの熱演は「“魂を揺さぶられる”感覚ってこのことか!」と震えるほど。

陽のマリアンヌ、陰のマックス。
結婚前後、そして愛娘が産まれた後とでも二人とも演技の表現が異なっているのがまた鳥肌ものでした。
「妖艶」という言葉をそのまま擬人化したかのような女性の顔、銃を持つときの感情を殺した恐ろしい顔、マックスを思うときの愛に満ちた顔、母としての優しい顔・・・
表情豊かなマリアンヌと対比して、感情を露わにしないマックス。(パーティー嫌いな性格は個人的には好みです)
結婚式でも「え、ほんとにうれしいの?」子供が生まれても「それって感動してるん?」というような感じで、微妙な表現くらいの鉄仮面だったのに、悲しい展開になるにつれて行動も性格も豹変していくさまは、心がえぐられるように胸が痛くなった。

「熱演」なんて一言じゃ片付けられないよ、もうほんと素晴らしいんだー。
最近iPhoneで映画を見ることが多くなっていた分、「映画館で、映画を、見ろ!」と言われているかのような迫真の演技に圧倒されっぱなし。後半なんて1シーン重ねるごとに涙が止まらなかった。

パーリーピーポーから庶民派まで、衣装着こなすマリコにもくぎづけ。
(マリコ様は40年代の衣装が似合うー!「ミッドナイトインパリ」の20年代のファッションの着こなしも素晴らしかった)


映画の原題は「Allied」、直訳すると「連合国」とか「同盟」とか意味があるらしいけど、邦題は「マリアンヌ」・・・
「連合軍」って邦題だけではキャッチ―でないしおシャンティさもないし観客入らないことはわかるけど、女性の名前をタイトルにするってだいぶ作風が違うような気がした。邦題って難しいなー。

あと考えすぎかもしれないけども、マリアンヌのフルネーム「マリアンヌ・ボーセジュール(Marianne Beausejour)」にもなんか意味があるのかなー、と。
Beausejour、なんという美しい名前。
「Bon séjour!」(よい滞在を!、空港やホテルで言われるフレーズ)にも似ている。
日本でいうと与謝野さんとか綾小路さんとか蝶名林さんとか、字体を見ただけで萌え、結婚したくなる苗字。(私、画数少なく普通すぎる旧姓だったので、こういう苗字にあこがれが半端ないのです)
ボーセジュールという名前は「美しい滞在」、とも訳せなくはないけど、「beau」にはBeau-pèreなど血縁関係の単語の前ににつくときに「義理の」という意味もある。
「義理の」→「義理」→「道義」→「物事の正しい筋道」?
・・・て、やっぱり考えすぎかな。
結婚して「マリアンヌ・ヴァタン」と一気に名前の華やかさがダウン(全世界のヴァタンさんに謝ります)するんだけども、前述したように名前が変わる前半と後半では環境が違うんで、マリコの派手さ(地味度)の変化も・・・て、やっぱり考えすぎですよねー。


Je t’aime mon Québécois

歴史に残る、ジュテームでした。

私的評価
★★★★★ 星5つ。
auユーザー、月曜は映画が安いので今夜二回目鑑賞、行ってきます!