フランス語で『あの頃エッフェル塔の下で』(Trois souvenirs de ma jeunesse)を学ぶ。その2

日仏授業、2週目も予習ばっちりで、遅刻もせず、Nouvelle NORIKOと化した私。
今年の私は違うのよー。

では自己満足おさらい記事、二回目。

授業の予習には、フランスで買ったDVDを使います。
フランス語字幕(クローズドキャプション)付きで流して、わからない単語がないように。
単語は日本語で調べるだけでなく、仏仏辞典で調べて、類語をメモ。
そうすると授業でも当てられたときにパッと答えられるから…

日本語字幕で見てるだけだとスルーしてることばっかりなんだなー、ほんと。

で、復習にも家だとこのDVD見たりするんだけど、
なんと先生がご自分でレンタルしてるサーバーに
授業で習ったシーンをアップしてくれているんです。
なのでスマホで見ることができるからいつでもどこでも(できればWiFi環境で)復習できる!

システムが改良されて、クローズドキャプションつきなので
授業のノートも持ち歩かなくてもよくなりました。

ハイテクな授業だわー。

さてさて、追記は個人的復習用メモ。
映画は現在絶賛公開中ではありますので、ネタバレがダメな方はスルーしてくださいませ。


ポールと、父。
母だけでなく、ポールは父ともなにやら険悪なムードで…

父(Abel):Tu as vu ces notes? Mais quell fils peut bien rapporter à son père des notes pareilles? Réponds.
ポール:Je ne sais pas.
父:Ne me rapport pas de telles notes. Pas à moi. Si encore t’ étais idiot, ou arriéré… mais je veux pas d’un fainéant dans ma maison.

学校の成績がよくないので叱られるポール。
fainéant = paresseux/怠け者の

ポール:T’as même pas passé ton bac,toi.
父:Moi, j’ai épousé ta mère. Elle était malade, puis enceinte, et j’ai dû travailler comme une merde, pour toi. Maintenant, je suis seul avec vous trios et je m’en sors pas.

親に「バカロレア取ってねえじゃん」って反抗する子もどうかと思いますが、「病気のママが妊娠したから俺が働かなあかんかってん」って言う親もどうかねえ…
je m’en sors pas = je n’arrive pas

そして舞台は一旦、現代に。
ポールが空港で足止めくらいます。
Un douanier(税関職員)が
「Je suis désolé, mais il me semble qu’il y a un problème avec vos papiers」と。
身に覚えがない上に移動で疲れているポール、なんのこっちゃ意味がわからない。

ここで不思議なシーンを挟みます。

男(Ariel):Tu as convoqué à DGSE, ce matin. Regarde.
ポール:Ah…
男:Très chic. Alors, tu es un espion?
ポール:Pas que je sache.
男:Alors, qui es-tu?
ポール:Je ne sais pas.

DGSEは対外治安総局。(Direction Générale de la Sécurité Extérieureの略)
「Très chic」(すごいなあ!)って言った後にすぐ「tu es un espion?」(お前、スパイなん?)って、どんな流れ…
映画を見てなくて授業を受けてた隣席のマダム、すごく混乱されてました。
Pas que je sache.は「私の知る限りではない」という接続法を使った表現。
Je ne sais pasよりも断定的ではないです。

ここで物語は2つ目のsouvenir「Russie」に移ります。

空港の裏で、Détecteur(探知機)らしきものでポールのボディチェック。
大御所アンドレ・デュソリエさんの登場ですー。

Claverie(デュソリエさん):Paul?
ポール:Quel était le souci, avec mon passeport?
Claverie:Il y a une chose embêtante. Vous avez un hononyme en Australie.
■souci = problème
■hononyme:「同型異議の」、ここでは「同じ名前の人物」という意味。

ポール:J’imagine que c’est un nom assez commun. ありふれた名前ですよ
Claverie:Votre hononyme est né au même endroit que vous et à la même date que vous. C’est un hazard difficilement imaginable.
その同名人物は、ポールと同じ場所・同じ日に生まれた、これは偶然だとは思えない。

語彙メモ
■usurpation:不当な取得

この後聞いたこともないウズベキスタンやトルクメニスタンの地名がずらずらと…
Claverie:Vous êtes un grand voyageur!
(中略)La tête me tourne. Je suis un homme très casanier.

Claverieも聞いたことのない地名ばかりでめまいがしてきたそうです(La tête me tourne)(笑)
casanierは出不精の意味。
出不精は「pantouflard」とも言いますが、これは「les pantoufles」(スリッパ、室内履き)ばかり履いているから、ってことらしい(かわいい言いまわし!)。

1987年、テルアビブでパスポートの更新申請がされている、と。
ところがポールはイスラエルには行ったことがありません。

Claverie:Vos papiers identité ont été voles, un jour?
ポール:Pas que je souvienne.

「パスポート盗まれたんじゃない?」という問いに、「んー、覚えがないです…」とまた接続法。でもこの言い回し、私日本語でよく使ってるかも…何気に便利!?

物語は、高校生の頃の回顧シーンに。
ここからさらにややこしい単語が出てきます…

語彙メモ
■Refuznik
明らかにフランス語ではなさそうですが、辞書によっては載っているようです。
「国外移住を禁じられたユダヤ人」の意。
■captif 捕虜の
■URSS ソ連
■Mesuravim / otkazniks 先生も知らなかったようですが、Refuznikと同意語のようです。
■PSU 統一社会党(今は存在していません)Parti Socialiste Unifié
■militer 活動する
■un crêpe 喪章(作中には出てきてないけど、個人的メモ)
■réperer ~の位置を割り出す、見つける

修学旅行で、ベラルーシのミンスクに行くことになったポール。
友達のZyl(ジル)と、なにやら怪しげな人たちにとあるミッションを託されて…

と、この間の授業はここまでー。