『愛して飲んで歌って』 Aimer, boire et chanter

バレンタインデーに、ひとりで映画鑑賞@神保町岩波ホール。
この日は故アラン・レネ監督の遺作となってしまった『愛して飲んで歌って』(Aimer, boire et chanter)の公開初日。
2014年のベルリン国際映画祭でアルフレッド・バウアー賞(映画芸術に「新たな視点」をもたらした作品に授与され、主に若手監督に与えられる賞。レネは91歳での受賞!)に輝いた作品です。
受賞直後にレネは旅立たれたのですが……

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© F comme film/ Arnaud Borrel

アラン・エイクボーンの戯曲「Life of Riley」を映画化。
この「安楽な生活」を意味する戯曲のタイトルにもある「Riley」と言う名の
“ジョルジュ・ライリー”がキーパーソン。
なんとキーパーソンでありながら、スクリーンに姿を現さないという…

果たしてジョルジュがどんな男なのか、
周りの女たちがみな虜になるほどどんだけのイケメンなのか…
登場人物たちの会話から想像し、
この映画を観る人それぞれが、それぞれの「ジョルジュ」像を描くのです。
なんて小粋なの!

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© F comme film/ Arnaud Borrel

物語は、まるで舞台の大道具のようなセットの中で繰り広げられます。
アルフレッド・バウアー賞受賞作品とは言っても
特別な技術を使っているわけではないのですが、
一部だけグラフィックを使って謎めいたつくりにしたり
アニメーションを使ったりして、ちょっとした遊び心を取り入れた映像。
そして前作『あなたはまだ何も見ていない』(結局日本未公開)もそうだけど
登場人物たちのテンポいい“会話”が魅力的。
単なる“おしゃべり女”じゃなく、“放送局”と言ったり
舞台っぽい演出の中で演じながらも「(舞台より)映画の方がいい」なんて会話もあり
フレンチエスプリたっぷりのユーモア含んだ会話には
ちょっとくすぐったくなりながらも、クスクスっと笑わせられました。

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© F comme film/ Arnaud Borrel

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© F comme film/ Arnaud Borrel

レースワンピース、ミモレ丈スカート(キベルラン、くびれが素敵!)、モッズコートにトレンチ…
舞台のようなセット同様、女性たちのファッションもかわいかった!

『愛して飲んで歌って』
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