『アナタの子供』 ジャック&ルー・ドワイヨン トークショー

フランス映画祭トークショーのレポート、公式サイトに事細かに載っていて、
さらに一週間以上経ってるのに、なぜわざわざブログで書くかと言うと、自分のボケ防止策です。
書いても忘れるんですけど、このブログを外部ハードディスク的役割として結構活用することあるのでね。
大切な思い出は記録しとこっと。

今年のマイベスト作品賞は『女っ気なし』ですが、(総合的に上半期ベスト1!!)
ゲストで最高潮に緊張したのが、『アナタの子供』のルー・ドワイヨン。
ジェーンでもシャルロットでもルル君でもこんなに緊張しなかったのに、
セルジュと一緒にいた頃のジェーンが目の前にいるようで、トークショーのときから震えが止まらず。

ジャック・ドワイヨンは思ったよりも親しみ易いおじさん(失礼)で、よく喋りよく笑いをとり
ルーちゃんに視線がロックオンして緊張度合いMAXな私、いい具合で緩和してくれました。
この父娘関係、すごーく良好なんだろうなー、と雰囲気からも伝わってきました。

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ルーちゃんの娘・リナ役のOlga Milshteinちゃん、おませなフランス娘で超絶かわいい。
ケイト・バリーの実の娘さんなんですって。
つまりはルーちゃんの姪っ子。このキャスティングってすごい。

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前にも書いたけど、冒頭は「別れた二人が久々に再会」っていうシチュエーションなので、
ぎこちなくって歯の浮くような台詞が多くて。
で、リナが巧く(子供だから無意識だけど)合いの手を打ってくれて
だんだん歌っぽくなってきて、後半のハーモニーが素敵になるの。

Q&Aで「音楽がほとんど使われていない」ことについて聞かれて、父さんは
「音楽をつけないことから始めた。
フィリップ・サルドという作曲家に出会い、彼の曲を結果的に使うことにはなったが、
果たして映画に音楽は必要なのか。
俳優たちそのものが音楽ではないか。
優れたテイクであれば、俳優たちの台詞にメロディがあって
耳で聞いただけでそれが”いいテイク”だと判断出来る」と。

まさにそんな感じでした。
最初の自信なさげな独唱から、感動を呼ぶ合唱へ、という感じ。
うー、、、(巧く表現できずもどかしい)

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ルーちゃんを自身の作品に起用するのは12年振り!
そのことについては
「そんなに経ってる感覚じゃなかったんだけどねー。
5年ごとに出演するっていう契約を交わせばよかったよ」
と、のっけから持ってく親父さん。
「今回は心から撮影を楽しむことができた」と。

ルーちゃんは
「私の方から出演交渉なんて、そんな大それたことできません。
以前の2作品は、私が若く経験も積んでいなかったこともあり、今回ようやく父と純粋な仕事の関係が築けたと思ってます」

「(完璧主義で要求の高い)父の作品に出てから、数テイクでOKしてくれるような監督と仕事をすることがすごく難しく感じました。
でも、難しいっていうのは、そもそも私が父に恋してるからかもしれません!」

このフレーズにグッと来た!と思ったら父さん、
「女の子が父親に恋するのは普通だからねー」
なんて、さらっと。

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饒舌父さん、演出の方法について聞かれると
「朝撮ったシーンはその日の夕方には忘れるんだよねー。
今聞かれたシーンのことを思い出そうとしても、この年じゃ無理だね」と笑いを取りつつ
「俳優たちが完璧に演じてくれていると信じてるから、シナリオと照らし合わせたりはしない」と。
この作品ではルーちゃんが元恋人と現在の彼氏との間で揺れ動くんだけど、
「二人のどちらかに優劣をみせるということはしなかった。
主人公の躊躇う気持ちを見る人に共感して欲しかったし、最終的にどちらを選ぶか途中で分かって欲しくなかった。」

さらに「他の監督の作品を見て、最初から最後まで登場人物がまっすぐな道を歩いているような印象を持った。私はモンテーニュの”人間は波打つ存在である”という言葉のように、嘘のない人間を描いている。」と付け加えました。

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父さん、ある若い男性から質問を受けたとき
「すごくかわいい男の子が質問してるから、てっきりルーへの質問だと思ってたよ!
こんなかわいい子が自分の映画を見てくれたなんて、嬉しいねー」
なんて。
質問は「一台のカメラで撮るという手法からマルチカメラに切り換えた」ことについて。
「以前は”視線はひとつであるべきだ”という考えから一台しかカメラを使わなかった。
マルチカメラのいいところは撮影期間が一週間短くできるということ。
自分のような予算が限られている作品を作る側にとっては、この短縮はとても大きい。
…まあカメラの話になると長くなるから、こんな答えでごめんなさい。
あなた(質問した男の子)は自分の作品を何本も見てくれてて嬉しい。
是非写真送って!肖像画つくるから」
と、実に嬉しそうに熱視線を男子に送る父さんの図。

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「この映画、まだ日本で配給が決まってないから、みんな募金してねー!」と
最後の最後までユニークだった父さん。

あれ、気づいたらルーちゃんほとんど喋ってない!