『わたしはロランス』ナタリー・バイ トークショー

フランス映画の思い出をつらつらと。

まずは『わたしはロランス』、ナタリー・バイのトークショー。

上映後のことですので、ネタバレも含みます…

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ナタリー母さん、僅かな登場時間(168分のフィルムのうち15分くらい?)だけど
ロランスの母親、という非常に重要な役どころ。
「決定的な意味がある」と司会のヴァレリーさんが仰っていましたが
それに対してナタリー母さんは後半の方の台詞「娘だと思っていた」を持ち出し
あれが母と息子の関係を決定づけている、と。

ナタリー母さんは撮影前にグザヴィエ監督の作品を見たそうで。
18才のときに撮った『J’ai tué ma mère』、20才のときに撮った『Les Amours Imaginaires』。
どちらも母と息子の関係を描いている作品。

夢や希望を持っていても人生はうまくいかないと悟っている母親、女になりたい息子の葛藤。
息子のカミングアウトによって、初めはそのu事実を受け入れられなかった母親の心境も徐々に変化して行く…というナタリー母さんによる解説。

撮影中に監督の23才の誕生日をお祝いされたようで。

大物監督の作品に数々出演されていますが、若いグザヴィエ監督との仕事はいかがでしたか?と聞かれると
「この作品は好き嫌い分かれる作品だと思います。
グザヴィエは脚本も衣装も担当しているんです。
’80年代の衣装なので”ダサい~”と思いながらも(笑)、私をバービー人形みたいに飾ってくれました。
天才肌なので、撮影に入ったら気難しい感じになるんだろうな、という先入観があったんですけど、そんなことは全然なかったです。
次回作のオファーがあったらすぐにOKします!

年齢も経験も関係ないと思いますよ。
人柄とか…その人自身の問題でしょう。
ゴダール、トリュフォー、タヴェルニエ、シャブロル、スピルバーグ…様々な監督と共に仕事をしてきましたが、アーティストといえる人、大監督といえる人、そしてイチ技術者という人、そして扉を開く人(多分”方向性を大きく変えてくれた”と訳せばいいかな)もいます。」

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フランス映画の強みは?と聞かれると
「フランス人は不平不満ばかりいう国だけど、それうまくいくこともあるんです。監督が不満・要望を主張するとそれが通ることがありますし。

フランスにいると多様な作品を見ることができる。
トリュフォーも”世界中のフィルムを見ることができるからパリが好きなんだ”と言っていました。
映画への欲望を満たしてくれる、映画生活が充実している環境にあるから、フランスの監督はバラエティーに富んだ作品を作ることができるんでしょう。」

性同一性障害の問題についての質問が挙がると
「フランスでも前進しつつありますが、タブーとされていて、まだ”timide”(通訳さんは”シャイな”と訳されていましたが”臆病な”というほうがしっくりくるかなー)な問題です。
その問題はまだ実情を知らないので理解されない面もあります。
もし自分の家族がその問題に直面した時は「病気」という捉えかたで隠したがる傾向もあります。
性転換をしても、ロランスのように性の対象・性的嗜好は変わらないこともあるんだということは、この作品に出演して初めて知りました。」

メルヴィル・プポーについて
「彼のことはよく知っていて、モントリオールでホテルも同じで食事も一緒にしたんですけど、翌朝撮影現場で会った彼は女装していて動揺してしまいました(笑)でも彼の女装は自然で全然変じゃなかったですよ。体毛を全部剃ったんで、痒くてしょうがなかったみたいで、体中掻いてました。」

最後に
Vous êtes un public formidable!
みなさん素晴らしい観客です!
と。

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グザヴィエ監督は、アンドシーヌの「College Boy」のPVを手がけましたが
これがまた残酷極まりなく…
フランスで放送禁止、さらにYoutubeへもアップ禁止になったそうです。
うー、確かに直視できない。。。

Clip censuré d’Indochine – College Boy from Gogol on Vimeo.

そしてallocine見てたら、母さんの最新作はこれだそうで。。。。
「Les Reines du ring リングの女王」。。。

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どんな役でもそつなくこなす母さんが素敵です。
また来てねーーー!!